【茅ヶ崎 イベントレポ】開高健記念館 企画展『広告人・開高健の三つの顔』 - 広告業界・昭和のデザインに興味のある人、アイデアを求める人にもおススメ!9月29日まで開催中
昨年開館20周年を迎えた記念館
現在、茅ヶ崎市「開高健記念館」では、企画展『広告人・開高健の三つの顔』が開催されています。
この企画展は、小説家、ルポルタージュ作家、エッセイスト、旅人、釣り師、美食家など、多彩な顔を持つ開高健さんが持つ「広告人」としての顔にフォーカスしたもの。
企画展の開催に際し、6月1日(土)に記念講演が開催されました。
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【茅ヶ崎 学びスポットレポ】開高健記念館 - 『開館20周年記念企画 ★ BEST COLLECTION 開高健』!世代を超えて心に響く企画展
【開高健とは…】
1930年大阪生まれ。1958年に「裸の王様」で芥川賞を受賞し、戦争のルポルタージュ、釣りやグルメのエッセーなど、幅広い分野で活躍した作家。没後30年以上経つ今でも、根強いファンを多く獲得し続けています。
亡くなるまで住んでいた茅ヶ崎市東海岸南の本人の邸宅が、「開高健記念館」として一般公開されています。
戦後広告史に残る名作コピーも
記念講演の会場は、茅ヶ崎ゆかりの人物館多目的館。
講師を務める開高健記念会理事の藤森益弘さんは、開高さんらが創設した広告制作会社に入社し、CMプロデューサー、コピーライターとして新聞広告やテレビCM、PR誌等の制作に携わった、ご本人と親交がとても深い方です。
講演では、当時のエピソードを交えながら、企画展の理解がより深まる興味深いお話しをしてくださいました。
開高さんが実際に手掛けた、サントリーの(当時は壽屋)PR紙の特徴的だった点や、同じくサントリーのトリスウイスキーの新聞広告でのコピーライトでの画期的だったワードの使い方などについても細かい解説が。
1961年に書かれたコピー「『人間』らしくやりたいナ トリスを飲んで『人間』らしくやりたいナ 『人間』なんだからナ」は、名コピーとして広く知れ渡り、戦後広告史に残る名作となったのだそう。
その他にも、開高さんご本人がCMタレントとして出演したサントリーのウイスキーのCM映像を実際に見ながら、撮影時の裏話なども聞くことができました。
今回の講演は、様々な情報が溢れる現代とは全く違った昭和の時代に、どのような広告やキャッチコピーが人々の心を捉えたのか、それを生み出した開高健とはどういう人物なのかを、同時に知る貴重な機会になりました。
企画展の注目ポイント
企画展『広告人・開高健の三つの顔』では、1956年に開高さんが編集発行人となり創刊されたサントリーのPR誌が全て展示されています。
貴重な当時のPR誌の一部は、実際に手に取って読むことが可能。
どれも、デザインの参考資料にもなりそうな、レトロ感溢れつつモダンでオシャレな表紙です。
コピーライターの仕事として展示されているのは、サントリーのトリスウイスキーの新聞広告。
イラストには、今も愛されるキャラクター「アンクルトリス」も登場。
イラストレーターは、横浜銘菓「ありあけ横濱ハーバー」のパッケージデザインでもお馴染みの、柳原良平さんです。
本人出演の、CM制作時の絵コンテも実際に見ることができます。
当時の実際のCM映像も流れており、時代を感じるシュールさに味わいが。
企画展『広告人・開高健の三つの顔』は、開高さんのファンはもちろん、広告業界に興味のある人や昭和の色彩やデザインに興味のある人、ビジネスのアイデアを求めている人にも良質なインプットになりそうな内容だと思います。
9月29日(日)までの開催なので、ぜひ、チェックしてみてくださいね。
イベント紹介
【開高健記念館 企画展『広告人・開高健の三つの顔』】
■開催日:2024年4月27日(土)~2024年9月29日(日)
施設紹介
【茅ヶ崎市 開高健記念館】
■住所:〒253-0054 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南6丁目6−64
■電話番号:0467870567
■開館日:毎週、金・土・日曜日の3日間と祝祭日。
■開館時間:10:00~18:00 (最終入場は17:30)
※休館日:年末年始(12月29日~1月3日)は休館。 展示替え等のため、臨時に休館あり。
※入園料:200円、開高記念館と茅ヶ崎ゆかりの人物館の2館共通券は300円
※駐車場:有
アクセス
JR茅ヶ崎駅南口より約2km
東海岸北5丁目バス停より約600m(辻堂駅南口行き 辻02系 辻13系)