【葉山町 ショップレポ】はかり売りオリーブオイル専門店ル・ボスケ-食べ物は最良の薬であり、最良の薬は食べ物である

「市販されているオリーブオイルの7割から8割は偽物なんです」
店主・荒井さんのその言葉が毎日のように口にするオリーブオイルを見直すきっかけでした。
目次
あなたのオリーブオイルは本物ですか?

画像出典:湘南人
葉山町の閑静な住宅街にある「はかり売りオリーブオイル専門店ル・ボスケ」。こじんまりとした店内の棚には見たこともない外国製のオリーブオイルが何種類も並んでいます。そして荒井さんが笑っているレジカウンターの背後には焼き物の大きな瓶が6つ。中身はもちろんオリーブオイルです。
「オリーブの樹は500種類以上あると言われています。同じ樹でも育った国の気候風土。実の摘み方。そして搾油の仕方でまるで違うオリーブオイルになる。様々な風味を楽しむことができるんです」
オリーブオイルの国際定義は「オリーブの果実を搾っただけの油のこと。溶剤を加えたり、化学的な処理を一切行っていないもの」。「バージン」とか「エキストラバージン」という冠がつくと基準はさらに厳しいものとなります。それはオリーブオイルが他の植物油と違って、化学的な加工や加熱処理をせずとも油分を搾り出すことができるナチュラルな食品だから。オリーブオイルは実を絞った果汁といっても過言ではないからです。それこそがオリーブオイルが六千年も前から食されてきた理由でもあります。
一方で伝統的な搾油方法には手間と人的コストがかかるのも事実。また、オリーブオイルは実の収穫直後から酸化が始まり、光や熱で劣化してしまうデリケートな食品でもあります。こうした中で先人たちは様々な搾油方法を生み出し、より低コストで、より保存の効くオリーブオイルを、大量に生産する技術を発展させて来ました。それが皮肉にも国際基準に満たない偽造品を大量に生んでしまう結果にもなっていたのです。
オリーブはオイルは美と健康と平和の象徴

画像出典:LeBosquet
「オリーブオイルは六千年も前から美と健康、そして国連の旗のデザインにもなっている平和の象徴なんです」
店主の荒井さんが伝統的な搾油方法による国際基準を満たした本物にこだわっている理由は「医食同源」。オリーブオイルが嗜好品であると同時に、健康食品でもあるからだと言います。
「食べ物は最良の薬であり、最良の薬は食べ物である」
この言葉を残した古代ギリシアの医師ヒポクラテスはオリーブオイルを「偉大なる医薬」と重宝していました。また、古代エジプトの女王クレオパトラは美肌のためにオリーブオイルを肌に塗っていたと伝えられています。こうした先人によるオリーブオイルの美容・健康効果は現代医学でも証明されています。
ひとりでも多くの方に美容と健康にも効果がある本物のオリーブオイルを味わって欲しい。荒井さんが高品質なオリーブオイルだけを取り扱うお店を開くにあたって取り入れたのが「テイスティング」でした。
テイスティングとはかり売りの理由

画像出典:湘南人
気になったオリーブオイルを小皿に垂らして貰って、パンにつけてぱくっと食べる。初めて訪れた人はそれだけで目の色が変わる――わたしもそのひとりでした。
「今まで量販店でしかオリーブオイルを買っていなかったお客さんの中には"オリーブオイルってこんなにおいしいものだったんだな"と言って下さる方も多いんです」
また、オリーブオイルは酸化が早い上に、光や熱で劣化してしまうので暗所で保管して早いうちに使い切ることも大切。かといってそんなにすぐ使い切れないという方のためにル・ボスケでは10g単位からはかり売りをしています。自分で容器を持ち込んでもいいし、お店にある小瓶に詰めて持ち帰ることもできます。かわいい瓶もたくさん売っているのでお気に入りの一本を見つけて繰り返し使うエシカルなオリーブオイルライフもいいかもしれません。
常識を覆す絞りたてのオリーブオイル

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イタリア産をメインに豊富な種類のオリーブオイルを取り揃えている「ル・ボスケ」。人気なのはわたしも大好きな「リモーネ」(100g ¥950 農作物なので価格には毎年変動があります)。レモンの香りが漂うさわやかさは白身魚のカルパッチョやサラダにもぴったりです。
また、11月から12月にかけてオススメなのがシチリアの搾りたてオリーブオイル「ノベッロ」(100g ¥1300 農作物なので価格には毎年変動があります)。収穫初期に手摘みされたオリーブの果実を搾った初物のオイルです。
「2、3日前にシチリアで絞ったものが航空便で送られてきたばかりなんです」
荒井さんが白い小皿に垂らしてくれたのは青々としたジュースのようなオイルでした。たっぷりとパンにつけて口に放り込むとオリーブの果実そのものを食べているような青臭さの中にフルーティーな香りが広がっていきます。
「オリーブオイルは摘みたての実をすぐに搾った奴が一番ですからね」
まさにオリーブ畑で摘んだ実を食べているような気分にさせてくれる風味はオリーブオイルの常識を覆す逸品でした。
ル・ボスケは「小さな森」
「ル・ボスケというのはフランス語で"小さな森"という意味なんです」
最後に荒井さんがそっと教えてくれました。
「はかり売りオリーブオイル専門店ル・ボスケ」
そこは"小さなオリーブの森"のようなお店です。
はかり売りオリーブオイル専門店ル・ボスケ
営業時間
10時30分~13時/14時~18時
定休日
月曜・火曜・水曜(祭日は営業)
電話番号
046-875-7818
支払い方法
現金、カード
アクセス
JR「逗子」駅より京浜急行バス「葉山」行きで8分 「向原」下車徒歩5分
住所:葉山町堀内1473
駐車場:あり(2台)