【小田原 ショップレポ】南十字-一期一会が生まれる街の本屋さん
個性が光る小さなお店が点在している小田原市南町。今回は、この街の本屋さん『南十字』をご紹介します。
小田原駅から歩いて15分ほど。国道沿いにあるこちらが店舗です。
前面がガラス張りとなっていて、店内の様子を伺うことができます。初めての訪問でも入りやすい雰囲気です。
早速、お店の中へとお邪魔します。
店主選りすぐりの本が並ぶ店内
入り口を入ってすぐの平台には、いま南十字がイチ押しする本が並んでいます。
取材時には、時事問題に関する本や、社会的に注目されているテーマの本が多く目に留まりました。
壁側の大きな本棚には、小説・歴史・哲学・歌集…と幅広いジャンルの本が陳列されています。
そのほとんどが店主によって選書された本です。星の数ほどある本の中から、「これは南十字に置いておきたいよね」と選ばれたラインナップです。
新刊のなかでも気になったのがzineのコーナー。
※zine(ジン)…個人またはグループが発行している自主制作の本。
こんなにもたくさんのzineを取り揃えている本屋さんは初めて。どれも個性的な装丁で、並んでいるのを見るだけでもワクワクします。
出版社を通さず発行されているので、内容も作家さんのオリジナリティに富んでいるそうです。
お店中央の本棚には、絵本や漫画が並びます。
広い通路沿いに棚が設けられていて、ベビーカーや小さな子どもと一緒でも本を手に取りやすいのがありがたいです。
音楽に関連する書籍が並んでいるのは、ピアノを利用したユニークな本棚。店主の音楽愛を感じるディスプレイです。
音楽好きの身内が喜びそうな1冊を見つけたので、プレゼント用に購入させていただきました。
店主の一人・鈴木さんが出版を手がけられた本もありました。鈴木さんは南十字だけでなく、『風鯨社』という出版社も運営されていらっしゃいます。
古本コーナーや一箱本棚も設置
レジ横には古本の売り場も設けられています。昔の雑誌や海外のアートブックなども並んでいて、宝探し気分で本と出会えます。
筆者が面白いなと感じたのは、一箱本棚という制度。
オーナー制の本棚で、一箱分のスペースを借りて、自分だけの本屋さんをオープンすることができるそうです。
「この人の本棚が好き!」という推しのオーナーさんが見つかるかもしれません。
南十字の楽しみ方いろいろ
こちらは店内で読書を楽しめる、ブックカフェのスペースです。
ドリンクや軽食を本のお供にして、ゆっくり過ごすことができます。
購入した本はもちろん、カフェスペース専用の閲覧本も手に取ることができます。
南十字では、読書会やトークイベントといった店内イベントも不定期で開催しています。
参加されるのは「好きな本を熱く語りたい」という方から、「ちょっと話を聞いてみたいな」という方まで様々だそう。
本を通じて人と人との交流が生まれる素敵な企画。今後の開催も楽しみです。
本をきっかけに新しい世界と出会える場所
南十字には、他の書店ではなかなか見かけないような本が数多く取り揃えられています。
「本と出会える機会を増やすことによって、文化を広げていきたい。」
小田原という場所で南十字をはじめられた想いについて、そう教えてくださいました。
思いがけない本との出会いが生まれる「本屋」という存在。 私も本屋さんで偶然手にして、今も大切にしている本があります。
目的の本を買うなら今やネットで簡単に手に入れることもできますが、本屋さんでしか味わえない体験があるのだと、お話を伺う中で再認識しました。
SNSやホームページを通じてお店のことを知り、遠方から南十字を目指してやってくるお客さんもとても多いのだそう。
文化の発信拠点であり、様々な交流がはじまる場所、南十字。
本と人、人と人との一期一会が生まれる、とても素敵な本屋さんでした。
店舗情報
【南十字】
■〒250-0013 神奈川県小田原市南町2丁目1−58
■休業日:不定休
※営業日・営業時間はホームページまたはSNSでお知らせしています。