【二宮 ショップレポ】自然・偶然-思考の枠を外し、植物の視覚言語に触れるギャラリー
国道1号線を車で通るたびにかっこいいファサードが印象的だったこの建物。お店するならこんなサイズ感のところがいいな、と妄想していたスペースに昨年末、アーティスティックなお店が誕生していました。
「自然・偶然」というちょっと不思議なお店の名前。コンクリート打ち放しの床に白い天井と壁。アートギャラリーのように清廉なスペースには、季節のお花と、乾燥エディブルフラワー、シルクスクリーン雑貨などが、水を湛えたガラス器とともに、ふんわり、並んでいます。
店主の方が、西湘南にある畑で、農薬や肥料を使わず、自然さと、偶然性を大切に育てた季節のハーブとエディブルフラワーのお店でした。
壁には二井矢春菜さんの作品が。靴下の形をした店の奥スペースには、二井矢さんが主催される「Atelier deux(アトリエ ドゥ)」という版画アトリエがあり、月一でシルクスクリーン初心者講座が開かれています。
ポルトガルでよく目にするアズレージョタイル、その絵付け体験ができる「SHIRAS STUDIO」も併設されたアートな空間です。
画像出典:湘南人
リズミカルに並べられた花とガラスの器たち。1本200円。空間に対する意識を感じます。
店主の方にお話しを伺ってみました。東京造形大学出身で、専攻科目はファインアートの絵画。作品としては、現代アートの手法の一つであるインスタレーションを主にされていたそうです。気に入った空間の隙間に木材をぴったりはまるようにカットし、その様子を映像化したり撮影したりする作風だったそう。
その後、蕎麦店のガラス器制作など実践される中で、元々あった自然に対する関心と、「食べることが好き」というピュアな嗜好性が、今のエディブルフラワーの栽培と販売に繋がっているのかも?とのこと。
既存の論理で考えることや、思考から自由でいることへの志向性を会話から感じ、柔らかさの中に凛とした意思のようなものが感じられ、心地よかったです。
手拭い、トートバック、巾着などのシルクスクリーン雑貨も並んでいました。可愛くて、ちょっとしたプレゼントにも良さそうです。
生活のなかにふわっと余白が生まれる、そんな可能性を感じさせてくれる素敵なお店でした。
ぜひ一度お越しください。
店舗紹介
【自然・偶然】
■住所:〒259-0123 神奈川県中郡二宮町二宮488-8
■営業時間:11時~18時
■営業日:水、土、日