【二宮 イベントレポ】にのみや こどもの権利フォーラムキックオフ- おとなもこども「こどもの権利」について知ろう
こどもの権利を知ろう
皆さんは「こども基本法」をご存知でしょうか?
2022年6月22日公布、2023年4月1日施行された「こども基本法」に基づき、二宮町では新たな「こども計画」を策定しています。
この取り組みを支えるために、2024年9月1日(日)にラディアンホールで「二宮町こどもの権利フォーラムキックオフ」が開催された内容をご紹介します。
プログラム
- こども権利劇場
- 劇団ひだまり+(げきだんひだまりぷらす)
- 子どもの権利条約を知ろう
- 基調講演:甲斐田万智子先生(NPO法人国際子ども権利センター(シーライツ)代表)
- こどもの権利座談会
- <コメンテーター>遠藤裕子先生(公認心理師・学校心理士SV)
- <ファシリテーター>橋本由恵氏(にのみやこども権利フォーラム代表)
- 終了<記念撮影>
こども権利劇場
第一部では、劇団ひだまり+による劇2つが発表されました。
1つ目の劇は、女の子が木に登って遊んでいるところから始まります。
こどもが木に登ったときのおとな達の反応は、
- みんなの木だから登ってもいい
- みんなが心配する
- 高いところに登れてすごいね
- 危ないからやめなさい
など、意見はさまざま。正解が1つではないことに困惑するといった内容でした。
2つめの劇は、おやつを沢山持っている女の子と、おやつを持っていない女の子2人が主役。
「おやつ頂戴!全部いいの?」という子に対し、「いいよ」と言ってしまう子。
「いいよ」と言われたから全部もらったのに、気まずい雰囲気になってしまい、
全部もらうのがダメなのか?
私が我慢すれば済むのではないか?
と、それぞれの思いが垣間見えました。
また、こども達のやりとりを横で見ていた親心として、
思ったことをハッキリ言えないうちの子が悪いのか?
24時間こどもを見続けていないといけないのか?
こどもが満足いくだけのお菓子を買い与えて、機嫌を取らなければならないのか?
など、それぞれの思いが溢れてくる内容となっていました。
みんなが満足する方法はあるのでしょうか?
すぐに正解を見つけなければいけないと思われがちですが、劇を演じるこども達はもちろん、会場に来た参加者にも近くの席の方同士でディスカッションする時間が設けられました。
こどもの権利条約を知ろう
第二部では、NPO法人国際子ども権利センター(シーライツ)代表であり、広げよう!こども権利条約キャンペーン共同代表の甲斐田万智子先生の基調講演が行われました。
「君が君らしく生きるためのこどもの権利とは?」と題したセミナーは、人権と聞いて思い浮かべることはなんですか?といった投げかけからスタートし、人権、こどもの権利についてクイズ形式を交えながら進められました。
こどもの権利条約が国連でつくられたのは35年前の1989年。日本がこども権利条約を批准(条約に書いてあることを守ると約束すること)したのは、158番目、1994年のことでした。それからこども基本法が施行された2023年に至るまでに、約30年もの年月を要しました。
その背景には、こどもに権利を与えると、わがままになるなどの考えが根付いていたとも言われているそうです。
こども権利条約は54条からなる条約で構成され、条文は4つのグループに分けられます。
- 生きる権利
- 育つ権利
- 守られる権利
- 参加する権利
こどもの権利条約で大事にされている原則は以下の4つです。
- どんなこどもでも差別をされないこと
- こどもにとって最もよいことをすること
- 命をまもられ、成長できること
- こどもの意見を聞いてもらえること(こどもの意見をきちんと聞くこと(意見表明権))
また、こどもに影響を及ぼすすべての決定において大切にしなければならないことは、法律を守ることはもちろん大事ですが、こどもにとって最もいいことをすること(こどもの最善の利益)であるとのことでした。
こどもの権利を守る・実現するするためには、おとなが責任を果たさなければならないため、「こどもの権利」と「おとなの義務」はセットで考えられます。
おとなの義務とは、
- こどもの意見を聞くこと
- こどもの意見を反映すること
- こどもの意見を反映できないときは説明すること
一見難しいと思われがちな内容ですが、参加しているこども達にも分かりやすい噛み砕いた説明や、会場に問題を投げかけキャッチボールをしながら進める方式で進められ、あたたかみのある学びの時間となりました。
こどもの権利座談会
休憩を挟んで第3部では、劇の台本を作られた劇団の方、二宮町でこどもと触れ合う機会の多い幼稚園の先生や自然塾(遊び場)を運営されている方、公認心理師の遠藤裕子先生、第二部で公演された甲斐田万智子先生に加え、にのみやこども権利フォーラム代表の橋本由恵氏が登壇し、今回のフォーラムの感想や、こどもの権利を絡めながら二宮町のこども達について各々から語られました。
おとな達が中心となり意見交換する中でも印象的だったのは、第一部で劇を演じたこども達に役を演じた感想をなど聞く場面でした。こども達に感想を聞く姿勢は、フォーラム全体を通して伝えられた「こどもの声を聞く」「こどもの意見を尊重する」ことに繋がり、会場が一つになった瞬間だったのではないかと思います。
フォーラムのラストは、登壇者・参加者・こども達みんながステージ前に集まり、記念撮影を行なってキックオフのフォーラムは締め括られました。
「はじめましてこどもの権利条約」絵画展
8月30日〜9月1日の間、ラディアンホールの展示スペースでは、「初めましてこどもの権利条約」と題して、条約とこども達が描いた絵が展示されました。
条約と聞くと堅苦しく感じる方もいらっしゃるかも知れませんが、絵から感じ取れることがあったり、知るきっかけの一つになるかも知れませんね。
「こどものけんり」と手書きで書かれたコーナーには、こども権利条約に関する様々な書籍が並べられていました。
最後に
記念すべきキックオフのフォーラムは、こどもからおとなまで沢山の方が参加されていました。
こども達が中心となる内容のため、分かりやすく噛み砕いて説明・進行されたので、勉強不足な筆者でも分かりやすく学びになる機会となりました。
こども達に寄り添った公演内容はもちろんですが、こども達が飽きないよう休憩が多く取られたり、畳を敷いた休憩スペースが用意されていたのは、正しく「こどもにとって最もよいことをすること」を具現化されていて、ほっこり心あたたまるキックオフフォーラムでした。
フォーラム開催前日には、記録的な豪雨が二宮町を襲いました。その影響で、当日のフォーラムに参加できなかった方もいらっしゃるとのことでしたので、この記事が一人でも多くの人に届くことを願います。
「にのみや子どもの権利フォーラム」はキックオフでスタートをきったばかりです。
キックオフフォーラムに参加された方も、出来なかった方も、これから一緒に学び、考え、伴走してくれる人達が増えることを期待したいと思います。
湘南人では、これからも「にのみや こども権利条約」の教えや活動状況について、お伝えしていきたいと思います。
「にのみや子どもの権利フォーラム」の今後の活動状況については、Instagramからもチェックできますので、ぜひご覧ください。
フォーラム紹介
【にのみや こども権利条約キックオフフォーラム】
▪️開催日時:2024年9月1日(日) 13:30〜15:30 (受付開始13:00)
▪️会場:ラディアンホール(〒259-0123 二宮町二宮1240-10)
▪️入場料:無料
▪️内容
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- 演劇ワークショップと座談会
<コメンテーター>遠藤裕子氏(公認心理師・法政大学非常勤講師) - 基調講演
甲斐田万智子氏(認定NPO法人国際子ども権利センター代表理事)
- 演劇ワークショップと座談会
▪️関連イベント
展示ギャラリー1にて「はじめまして子どもの権利条約」絵画展を開催。
展示期間:8月30日〜9月1日
▪️お問い合わせ:kodomo.kenri.nino@gmail.com