【小田原市】小田原市のステップアップ調査の成果と今後の展開
小田原市では、2021年度より中学校2校・小学校4校でステップアップ調査モデルを実施してきた。この調査は児童生徒の学力の「伸び」を経年で測定し、授業改善や個別指導に生かす目的で行われたもので、成果報告が発表された。
調査方法と特徴
調査対象校は以下の通りだ。
- 酒匂中学校区:酒匂中、酒匂小、富士見小
- 泉中学校区:泉中、富水小、東富水小
調査内容は国語、算数・数学、質問紙となっており、毎年4月~5月に実施される。
- 子供たちの学力の伸びを経年で把握する
- 非認知能力や学習方法の習得などを質問紙で評価する
調査結果
全ての学年・教科で学力の伸びが確認された。特に約7割の児童生徒が国語と算数・数学の学力が向上していることが明らかになった。また、学級風土については約9割が肯定的な回答をしている。
調査から見えた成果
- 教職員の意識の変容:学習内容だけでなく、非認知能力を重視するようになった。
- 個別指導と声かけ:児童生徒の結果に応じた指導や声かけを行うようになった。
- 意欲の創出:学力の伸びを確認することで、児童生徒の学習意欲を引き出すことができた。
- 小中連携指導:調査結果を共有し、小学校から中学校へスムーズに引き継ぐことができた。
課題
以下の課題が報告されている。
- 調査負担:全国学力・学習状況調査との重なりなどにより、児童生徒および教員の負担が大きい。
- 活用期間の短さ:中学3年生の調査結果活用が遅れるため、実際の授業に生かせる期間が短い。
- 帳票の読み取り:大量のデータの分析には時間と手間がかかる。
令和6年度(2024年度)以降の展開
成果を評価しつつ、以下の改善点を踏まえて全校展開する。
- 国語、算数・数学および質問紙の全校実施
- 調査対象を小4から中2までに限定
- CBT(コンピューターベースでのテスト)を導入