【横須賀 観光スポットレポ】安房口神社-三浦半島最古?のパワースポット
注連縄の元祖と安産祈願の神社
横須賀市吉井にある「安房口神社(あわぐちじんじゃ)」をご紹介します。
吉井、池田町、桜が丘が交わる、明神山の頂上辺りにあります。
その付近は湘南山手と呼ばれる住宅街が開発されており道路も通っていますが、
開発前には山道を登って参拝したとの事です。
現在は京急久里浜駅からバスで神社のすぐ下、「安房口神社前」まで行く事が出来ます。
また、新大津駅から根岸町~池田町を抜けて徒歩で参拝するコースもあります。
もう一つ、馬堀海岸駅から桜が丘を通って来るコースもあります。(どちらも徒歩で約20分)。
いつからあるのか年代は不詳ですが、三浦半島で最古の神社と言われています。
吉井方面から行くと、階段をのぼると最初の鳥居が有ります。
平成9年に作られたもので、湘南山手が開発された時に作られたものでしょう。
鳥居をくぐるとマテバシイに囲まれた参道があります。
真夏の暑い時期に来てもこの参道はとても涼しく、冬でもなんとなく寒さも和らぐような、
マテバシイの木陰という事だけでなく、神に守られているかのようなオーラを感じます。
ドングリを拾うには最適な場所です。
途中には二つ目の鳥居、こちらは皇紀2600年記念と裏側に彫られています。
西暦で言うと1940年、昭和15年。かなり古いものです。
そしてもう少し上ると最後の鳥居です。
この神社の特徴としていわゆる本殿、拝殿といった社殿、神社でよく見られる建物がありません。
およそ2メートル位の大きな岩が一つ祀られています。
元々日本では自然のあらゆる物に神が宿るとされてきました。古代の神道の原点は自然を崇拝する事です。
自然のあらゆる物に生物や無機物を問わず霊魂が宿るとする考え方を「アニミズム」と言います。
例えば山、海、川など目立つ場所や木、森などを神が宿る「ご神体」と考えました。
安房口神社のように岩に神が宿ると考える岩に対する信仰を「磐座(いわくら)信仰」と言います。
その後、仏教の伝来と共に神道でも社殿を建てて神様を祀る「神社神道」が広まりました。
こちらは古代からの信仰のスタイルを変えずに現代に残っている珍しい神社の一つです。
社(やしろ)という言葉は神社の建物というイメージが有りますが、この言葉には
「神が降臨する場所、神を祀る場所」という意味もありますので、
「社が無い」と言うのも少し違うかもしれませんね。
御祭神は「天太玉命(アメノフトダマノミコト)」。磐座に開いている穴は千葉の安房を向いており、
千葉の洲崎明神に祀られていた二つの岩の一つが、千葉一の宮である安房神社の御祭神でもある
天太玉命の御霊代として飛んできたと言われています。
房総半島の先端の洲崎神社近くの海岸にもう一つ岩があり、二つの岩を結ぶと丁度東京湾の入り口を通り、二つの神社が東京湾を守っているかのようにも見えます。
天太玉命は神話の中で注連縄(しめなわ)や玉串(たまぐし)を最初に作りだした神様として知られ、
玉串を作る際に楮(こうぞ)や麻で作った布を使った事から楮や麻の守護神として信仰されています。
またこちらは安産祈願の神社としても知られ、かつては北条政子も安産祈願に参拝したと言われており、今でも安産祈願霊石が置かれています。
ちなみに桜が丘方面から行く場合には住宅街から上がってくる別の道があり、こちらにも鳥居があります。
こちら側からは東京湾と猿島が一望出来ます。参拝した際にはぜひこちらの景色もご堪能下さい。
そもそもは明神山がご神体として祀られていたのかもしれませんね。
住宅街の開発と共に、安房口神社とマテバシイの木々が鎮守の森として残され、
今もこの地域を守ってくださっています。是非、三浦半島最古のパワースポットを感じてみてください。
施設紹介
【安房口神社】
住所:横須賀市吉井3丁目95番