【横須賀】はらくら農園 - 農家が作った野菜のせっけん
キャベツ、大根、みかん、スイカなど、温暖な気候を活かし多くの露地野菜や果物が生産されている三浦半島。
そんな中、形や大きさが基準から外れていると破棄される野菜、「規格外野菜」があります。
横須賀市長井にそう言った野菜を活用した Craft Soap (クラフトソープ)『農家がつくったせっけん』を製造している方がいます。
はらくら農園の原田さんです。
画像出典:湘南人
目次
農家が石けんを作ろうとしたキッカケとは?
原田さんは横浜生まれの横浜育ち。農園を営む夫との結婚を機に三浦半島で人生初の農作業をすることになったそうです。
そこで目にしたのは、手間暇かけて育てた野菜が出荷できない現状。色やサイズが少し規格から外れることで、廃棄せざるを得ない野菜の多さだったそうです。
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天然成分の野菜ジュースを閉じ込めた石けん
日々農業に向かい合い規格外野菜に対し、もったいないと感じているさなか、ある出会いが始まります。
通っていたヨガ教室で、「コールドプロセス製法の石けん」の講師と出会います。
この製法の特徴は、量産タイプの石けんと異なり、高い熱を加えないため生産効率が悪くハンドメイドになるものの、製造過程で油脂や添加成分が劣化しないため、石けん成分以外の副産物である保湿成分グリセリンが多く含まれることです。
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さらに、化学物質や合成界面活性剤などを含まないため、使用後はバクテリアなどに分解される生分解性が高く、環境負荷がとても低くいということ。農業を営むものとしてこの石けんにひかれたそうです。
また、高い熱を加えないため、成分が劣化しない点にも着目し、「廃棄される野菜とその成分を活かすこと、多くの人に使ってもらえるもの、環境にもいいもの」として、旬の生産物のジュースをたっぷり閉じ込めた石けんができるのではないかと考えたそうです。
そこからコールドプロセス製法の石けんの実現を目指し、出会った講師の元、試行錯誤が始まったといいます。
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石けんがつなげてくれた出会い…
石けんの講師から製造技術を身につけていきますが、石けんに閉じ込めたい相手は天然成分の野菜ジュース。
色や泡立ち、さらにキャベツの爽やかな香りを活かすアロマの組合せなど、最適な条件だしに苦労したといいます。
画像出典:湘南人 画像出典:湘南人
そう言った中、破棄されるキャベツの外葉を活用した「農家が作った野菜のせっけん キャベツ」が完成します。
画像出典:湘南人
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完成すると、講師から長井の農産物直売所「すかなごっそ」で販売を勧められます。
すかなごっその店長や副店長も破棄野菜の活用や石けんの良さを感じてもらえ、さっそく、店頭に並ぶことになったそうです。
これをきっかけに、環境やフードロスに配慮した商品を手がけるマルシェ「エコルシェ」を主宰している方から声がかかったり、ワークショップの依頼があったりするなどし、横須賀市をはじめ、横浜市、三浦市など10店舗以上で、「農家が作った野菜のせっけん」が取り扱われるようになったそうです。
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進む Craft Soap 『農家がつくったせっけん』アップサイクルの取組み
本来廃棄される予定だったものに新たな価値を与えて再生する「アップサイクル」。
クリエイティブ・リユース(創造的再利用)とも呼ばれ、ものが廃棄される消費社会から持続可能な社会へのシフトが求められる昨今、「できることから、少しでもアップサイクルの取組みを進めていきたい」「破棄される規格外野菜を減らすチャレンジをしていきたい」と、原田さんは想いを語ります。
石けんの種類も増え、野菜や果物だけでなく、三浦半島の生産者や飲食店から出る廃棄するものの成分や特性を活かすなど、ユニークな取組みが進んでいます。
画像出典:湘南人
左上から縦に順に
1.キャベツ
2.スイカ
3.みかん
4.山茂丸水産の佐島ひじき(※竹炭入り)
5.横浜永島農園のキクラゲ
6.キンセンカ
7.米ヌカ
8.バナナ(ぽこぽこバナナ※バランゴンバナナ)
9.コーヒー(自家焙煎TAKAHASHI COFFEEのコーヒー殻)
10.ピザ薪窯灰(Daddy's Pizza)
11.キッチンソープみかん
12.キッチンソープ能登の玄米(輪島の塩入り)
※素材はいづれも規格外品の利用
価格
No.1.〜10 700円(税込)
No.11.〜12 500円(税込)
素材による使い心地の違いや、フレーバーなどを色々試し、ファンになっていく方も増えていっているようです。
じっくりと熟成期間を経て石けんへ
コールドプロセス製法では、熟成期間含め完成までに約1ヶ月もかかるそうです。その間「鹸化(けんか)反応」という過程が進み、保湿成分のグリセリンを石けんに含ませ、使用感や石けんの溶けにくさを調整していくため、品質管理が大切だそうです。画像出典:湘南人
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これからの想い、石けんをきっかけに
地元や、三浦半島を訪れる多くの方々に『農家がつくったせっけん』を知ってもらうことで、野菜などが規格に合った形や色だけでなく、素材そのものの良さで販売、購入が楽しめるようにしたいと、原田さんは先を見据えた想いも語っていました。
フードロス問題や環境負荷への観点から規格外野菜への理解とニーズは高まってきていますが、規格外野菜の購入や加工品を手にする機会を増やし、より多様な活用を考えていくことも大切かもしれません。
画像出典:湘南人
『農家がつくったせっけん』が購入できるお店は、横須賀市の「すかなごっそ」をはじめ「よこすかポートマーケット」など10数カ所で購入が可能です。はらくら農園Instagramで、取り扱っている店舗情報が記載されていますので、ぜひ、使ってみてください。
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【 はらくら農園 農家が作った野菜のせっけん 】
購入できる店舗
すかなごっそ/ 深野力蔵商店のアロマ/エコルシェ5302/よこすかポートマーケット/コーヒーハウスPOEM/ヒマラヤンベーカリー/onedropcafe/TAKAHASHI COFFEE/HARA-PAN cafe/山茂丸水産/永島農園 で販売中
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