【藤沢 イベントレポ】発酵盆祭2024_性別も国境も関係ない! ボーダーレスな輪で踊る
今回で2回目の開催となる発酵盆祭が、江の島北緑地広場で2024年8月5日に行われました。
8月5日を発酵の日と名付け、イマジン盆踊り部による生演奏により、まるで音楽フェスのような盛り上がりを見せたフロア。そこにはお子さんからご年配の方、日本人だけでなく多くの外国の方も踊りの輪に入り、その空間を楽しむ光景が広がります。
また会場は採れたて野菜の販売のほか、こども縁日やアートワークショップもあり、多彩なブースが展開されていました。
小学生の頃に地元の小学校で開催された盆踊りとは、180度も異なる本イベントの模様をお届けします。
発酵にちなんだ出店が揃う
本イベントのテーマである「発酵」にちなんだブースが数多く出店。
茅ヶ崎市のシンガポール料理店「楽園」や鎌倉市坂ノ下でてぬぐいや和雑貨の販売もしているカフェ「てぬぐいカフェ一花屋(いちげや)」などが、自慢のフードや飲み物を振舞っていました。
当日は夕方開始といえども気温は30度を超え、蒸し暑さを感じ、シュワっと冷たいのどごしのある物が飲みたい! そうして真っ先に向かうは千葉県香取郡神崎町で300年以上続く酒蔵「寺田本家」のブース。
代表銘柄「香取」は慣れ親しんでいるため、初めてそれ以外の日本酒を飲みます。鼻から抜ける米の香りと、喉を通るシュワっとした感覚。お祭りで飲む日本酒は格別です。
さらに店先で目を引いたのは「大人のかき氷(1杯500円)」。どうやら梅シロップを日本酒で割った特別なシロップらしく、先程の日本酒を飲み干し、すぐこちらも購入しました。
少し粗目に削った氷に、桃のような甘い梅の香りと日本酒の辛さが相まった芳醇な味は、まさしく大人のスイーツです。毎日でも食べたい一品でした。
次に列に並んだ先は、楽園です。ドリンクメニューは梅サイダーや梅ジュースのほか、普段耳にしない梅ラッシーの3種類を揃えています。ここでは滅多に出会わない梅ラッシー(1杯500円)を早速購入しました。
無農薬の梅から作られた手作りの梅酵素を豆乳で割ったもので、梅の甘さの中に豆乳のとろみとほんのりとした豆の味がし、想像以上に飲みやすくまろやかで美味しいドリンク。夏バテ予防やこの時期の朝ご飯代わりにぴったりです。
お店でも飲めるため、茅ヶ崎市に行く際は寄ってみてください。
最後はてぬぐいカフェ一花屋(いちげや)でオーガニックアイスコーヒー(1杯500円)を注文。
後述しておりますが、何曲も踊った後のため、すこぶる美味しく感じました。店先のてぬぐいも可愛く、実際の店頭で販売しており、オンラインでも購入できます。(一部品切れ中)
また実店舗は築90年の古民家を使ったカフェとのこと。
さあさあ、踊れや踊れ!
イベントは16:00から開催され、中央の櫓の準備が整うと、まずは民謡の生ライブが始まりました。
音楽とともに、ぞろぞろと人が櫓を中心に円を描くように集まり、体を揺らす。小さい頃に聞いたことがある音楽もあり、懐かしい気持ちに浸りながら、その光景を眺めます。
当初は円も一重で、人と人との間もしっかりと確保されて、踊る人も振りを大きく悠々と踊っていましたが、時が経つにつれ人が増えていき、気づけばその円は二重に、三重になっていきます。そうして迎えた18:40、イマジン盆踊り部の生演奏による盆踊り大会が開幕しました。
「さあ。周りで見ている人たちも、踊れないから眺めているだけの人たちも、踊るの恥ずかしいと思っている人たちも。踊れば全て忘れます。円に入って踊っていきましょう!」
ボーカルが高く腕を突き上げ、艶やかな声が響き渡ると、音楽が鳴り始めます。
イマジン盆踊り部は、2012年脱原発パレードに浴衣で盆踊りをしながら東京音頭の替え歌「イマジン音頭」を踊りながら参加したことがきっかけで発足した盆部です。
今回の演奏では、トロンボーンやサックスなどの吹奏楽器、ギターやドラム、日本の祭りには欠かせない笛や小太鼓などを使用。従来の日本の音楽に、現代人が馴染みやすいPOPテイストが合わさった音楽を奏でていました。
気がつけば闇が迫り、頭上を巡る提灯が輝きます。会場見渡す限りの人の混雑は、踊りの円に入らなければ行き交うのも大変なほどです。
盆踊りをしている人もいれば、円から外れて自由に体を音楽に合わせて揺らせている人も。各々が自由に表現し笑いながら体を揺らしていたのが印象的です。また江の島観光で偶然イベントがあることを知った外国人観光客も、当初はその光景が珍しく写真を撮っているだけでしたが、気持ちが上がったのか、一緒に踊り始めます。
そして何曲か終わり、「次の曲を始めるために、円を増やしてください」と掛け声がかかります。できた円は六重にもなり、奇数の円の人が偶数の円の人と向かい合うように立ちます。このとき人数合わせとして駆り出されたのです。よもやここから数曲を全力で踊ることになるともつゆ知らず。
さて、向かい合って始まる予想外の踊りはフォークダンス。
過去に誰しもが踊ったかもしれないオクラホマミキサーのようなゆったりとした曲ではなく、少しアップテンポな曲に合わせて踊り、1フレーズが終わると目の前の人がずれていく仕組みです。
「何かが始まる予感がしますね!張り切っていきましょう!」の掛け声で始まると、全く知らない人と対面して踊ったり、手を合わせて回ったりすることに持っていた恥ずかしさが、不思議なもので笑いがこみあげ楽しくなります。
あちこちから「間違えた!」「さっきお店でスタッフしていましたよね?」「今日は誰と来たの?」といった、お相手との一期一会を楽しむ姿も見られ、心の壁がなくなっていくのを感じました。
その後何曲か踊り、輪を抜け再度会場を見ると、跳ねたり手を繋いで前後に走ったりする踊りを目の当たりにし、盆踊りの概念が覆ります。お子さんも大人もご年配も、そして外国の方も額に汗をかき、笑顔がはじけ、誰もが幸せと感じる時間が流れていました。
ぜひとも来年以降も、この性別も年齢も国境も関係ない素晴らしいイベントを、続けてほしいと願います。
イベント詳細
■日時:2024年8月5日(月) 16:00~21:00 (盆踊りは20:00まで)
■場所:江の島北緑地広場
■主催:イマジン盆踊り部
関連サイト
発酵盆祭公式インスタグラム
イマジン盆踊り部公式X(旧twitter)
てぬぐいカフェ一花屋公式インスタグラム
寺田本家公式インスタグラム