【横須賀 イベントレポ】後編:インド古典と空間振動音響の会 2024 - アジアンな古民家で古典音楽に浸かる満月の夜
インド古典会。音楽と人と自然が繋がる満月の夜
こちらは後編です。
前編は、こちらをご覧ください。
【横須賀 イベントレポ】前編:インド古典と空間振動音響の会 2024 - アジアンな古民家で古典音楽に浸かる満月の夜
演奏が中盤に差し掛かる頃には17時をまわり、だんだん外が暗くなってきました。
中央にいるのは、シタールを携えたドゥルパド演奏家の井上想さんとパカーワジのカネコテツヤさんです。
空間振動音響を生かすために、会場の真ん中で演奏することになり、観客は二人の奏者を囲むようにして座りました。
観客は、少しづつ展開していくRaga ChandraKauns(満月のラーガ)の演奏をじわりじわりと味わいました。
この日はちょうど、満月でしたよ。
演奏後、井上さんにお話を伺いました。
ドゥルパドは「音の体験」だと言います。
そして、インドというイメージに捉われることなく、伝統や国を越えて等しく届けていくものとお話してくれました。
5番目の演目は、シタレレのヨシダダイキチさん。
その演奏は、繊細で滑らかで、うっとりするものでした。
気づくと会場が演奏に包まれていたので、私もその中に溶けこむ事にして写真を撮るのをやめました。
心地よいメロディが次から次へと紡ぎ出されて、会場全体を包み込むように漂っていました。
是非、ヨシダダイキチさんのYouTubeをご覧ください。
帰りがけに、ヨシダダイキチさんのシタレレを見せて頂きました。
これを手作りしているというから驚きです。
さて、インド古典会も盛り上がってきましたが、ここでお庭の出店を紹介します。
レトルトだけど本格的なインドカレー食べ放題と山暮らし焚き火やさんの月餅
長時間の古典会なので途中に休憩があり、美味しいものを頂きました。
持ち込み自由なアットホームな雰囲気で、自宅でくつろぐように過ごすことができましたよ。
お昼ごはんは、楽しみにしていた「インドレトルトカレー20種類以上食べ比べ」です。
食べたいレトルトカレーを選んで、湯煎コーナーへ。
炊き立てのご飯とバスマティライスを、欲しいだけお皿に盛り付けます。
アチャールも用意されていました。
アチャールとは、インドのピクルスで福神漬けのようなものです。
種類や量、具材もたっぷりなものが多く、お店で出されたらレトルトとは気づかないほどのクオリティです。
スパイスをたっぷり摂って、身体が温まりました。
お隣に出店していたTIRAKITA AYURVEDAでは、身体に優しいアーユルヴェーダ商品がずらりと並んでいました。
インドにはAYUSH省という行政機関があり、伝統医学と代替医療の教育、研究、普及の発展を管轄しています。
Ayurveda:アーユルヴェーダ、Yoga:ヨガ、Unani:ユナニ医学、Siddha:シッダ医学、Homeopathy:ホメオパシーの頭字語をとってAYUSH省と言います。
日本でも、ヨガやアーユルヴェーダは有名ですね。
筆者は、インド大使館で開催されるAYUSH省情報局のイベントに行くことがあります。
国をあげて伝統医療を推進するインドから世界へと、真の健康が広まっていくと良いですね。
さて、お庭に烏骨鶏が2羽いましたよ。
代表の梅さんが卵から育てたそうで、とても穏やか。
みんなの人気者でした。
辛いインドカレーの後に頂きたい、チャイのお店もありました。
甘さ控えめで、スパイスがたっぷり香っていました。
こちらは焚き火屋さんといって、群馬山中に住みながら、イベントで楽器作りワークショップや山暮らしワークショップなどを行い、山の恵みを活かした素材や材料で手作りした食品などを出店販売しています。
手作りの月餅が並んでいたのですが、甘さ控えめで素材の味が生きていて、ものすごく美味しいのです。
餡は、木の実餡、うずら豆ココナッツ餡、黒ゴマ餡、期間限定の山栗小豆餡、カボチャ餡がありました。
こちらは、デーツたっぷりの木の実餡の月餅です。
今まで持っていた月餅のイメージが、変わりました。
大人気ですぐ売り切れてしまう月餅、なるほど一度食べたらリピーターになります。
他にも、柿酢や梅酢、甘夏のスパイス煮やマコモと大根のアチャールなど、自然の恵みを生かした素朴で魅力的な手作り食品が並んでいました。
山暮らしを楽しみながら、お風呂は薪で焚いているそうです。
「全部が有難い」と、微笑みながら呟いているのが聞こえました。
自然の厳しさも受け止めながら、自然の豊かさと人間生活の原点を思い出させてくれるお店です。
夕方、オリジナルのゆう琴を聞かせて頂きました。
美しい音が出るように設計されているので、誰でも簡単に弾けてファンが多いそうですよ。
ボディには焼印のようなデザインが配されていました。
制作ワークショップでは、ご自分でデザインできるそうです。
自然で優しい音色に癒されました。
さて、インド古典会に戻りましょう。
外はもう真っ暗ですが、満月が遠くから見守ってくれているような気分です。
最後の演奏は寺原太郎さんのバーンスリー 、そして 池田 絢子さんのタブラです。
多様なメロディとリズムに、ワクワクしたりゆったりしたり、観客は各々のスタイルで音楽に全身を預けていました。
音楽が身体の深部に届くと、自然と身体が揺れたり動いたりして、心地よかったです。
演奏者の方々がとても楽しそうで気持ち良さそうなので、こちらも楽しく気持ちよくなりました。
先人が遺し伝えてきた古典音楽が、現代からこの先へと続いていくと良いですね。
長時間にもかかわらず、名残惜しくもフィナーレとなりました。
音と振動に包まれる幸せな時間を共有した観客は、すっかりファミリーのような雰囲気に。
最後に集合写真を撮って解散となりましたが、皆さん名残惜しいのか、なかなか会場から出ていきませんでした。
さて、こんな魅力的ないりやまずのおうちに泊まって遊ぶのもよし、また来年インド古典会が開催されるようなら、是非、音を体験しに行ってみてください。
活動紹介
【インド古典と、空間振動音響の会 2024】
■活動日:2024年11月16日(日) 12時開場 14時半開演 21時終演
■場所:: 〒238-0051 神奈川県横須賀市不入斗町3丁目32
■主催:ティラキタ いりやまずのおうち&なりやまずスタジオ
アクセス
京浜急行電鉄 汐入駅から西来寺循環バス 西来寺下車 徒歩11分