【横須賀 観光スポットレポ】近殿神社-三浦氏の頭領を祀る
「鎌倉殿の13人」にも出てくる三浦義村を祀る
横須賀市大矢部にある「近殿神社(ちかたじんじゃ)」をご紹介します。
「ちかどの」ではなく「ちかた」と読みます。
2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で山本耕史さんが演じられた三浦義村を祀った神社です。三浦義村は「13人」の一人である三浦義澄の嫡男です。嫡男とは、正室の子供の中で年長の男子を指します。長男でも側室の子供の場合には嫡男とされない事もあり義村も次男です。鎌倉時代に活躍した幕府の御家人で三浦氏六代目の頭領です。
神社の御祭神と言えば神話に出てくる神様と思われるかもしれませんが、こちらの神社のように先祖を祀る神社もあります。
このような神社を「御霊神社(ごりょうじんじゃ)」と呼びます。
横須賀市大矢部1丁目の住宅街にひっそりと鎮座されています。
境内には町内会館も併設されています。
建てられた時期は不詳ですが明治時代には「村社」とされ、この地域の総鎮守です。
かつて大矢部にはここ以外にも神社がいくつもありましたが、大正2年9月1日、国から「一村一社」の令が出たことにより、大矢部、小矢部、森崎、平作、阿部倉の神社は全て衣笠山の「衣笠神社」に合祀されました。
しかしながら遠方から衣笠山まで参拝するのは不便な事も有り、第二次世界大戦後に近殿神社とその他の神社を元の境内の場所に遷宮し、昭和22年に再建されました。
現在の社殿は昭和51年に建てられたものです。
また、現在の鳥居は昭和43年に奉納されたものです。
本殿に向かって右側の奥には山頂神社、金刀比羅神社、貴船神社、八雲神社、熊野社、浅間神社、皇大神社の石宮が境内に祀られています。
それぞれ、山頂神社は八街比古命(やちまたひこのみこと)、金刀比羅神社は金山彦命(かなやまひこのみこと)、貴船神社は日本武尊命(やまとたけるのみこと)、八雲神社は素戔嗚命(すさのおのみこと)、熊野社は速玉之男命(はやたまのおのみこと)、浅間神社は木花之開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)、皇大神社は天照大神(あまてらすおおみかみ)が祀られています。
また境内には浅間神社の幟旗の礎石が展示されています。浅間神社は「センゲン山」と呼ばれていた山の頂上にあり、現在は横横道路になっている辺りだそうです。
登山口の左右に置かれていた礎石の右にあったものが現在近殿神社に残されています。左は無くなりました。かつては浅間神社が大矢部村の総鎮守でしたが、享和年間(1801~1802)に総鎮守社は近殿神社に替えられています。
礎石とは、お祭りの時などに中心の穴に丸太を建て、幟を掲げるのに使われた土台になる石の事です。浅間神社以外の神社にもあったと思われますが残っているのはこの一基だけでとても貴重な物です。
鎌倉幕府でも活躍した三浦氏の一人の義村だけでなく、これだけの神々が祀られている神社が横須賀にあるのをご存じでしたか?
ドラマで感動された方は「聖地巡礼」の一つとして是非参拝されてはいかがでしょう?
施設紹介
【近殿神社】
住所:横須賀市大矢部1丁目9-3
アクセス
横須賀線衣笠駅から京急バス「満昌寺前」から徒歩2分