【葉山 イベントレポ】葉山の稲と石で綯う しめ縄飾りづくり-伝統的な手仕事で心を整え新年の準備
葉山の水田で収穫後の藁と葉山の海辺で集めた石を使った「しめ縄飾り」を作る素敵なワークショップに参加してきました。
ワークショップを主催しているのは、お家ごはん研究家の大串亜紀子さん。娘さんが小学5年生の時に葉山の水田で農作業体験をする授業があり、授業の手伝いで脱穀作業をした際に藁の美しさに心が動き、「この藁を使ってしめ縄を作りたい!」と天然石ハンドメイドジュエリー作家の新田奈々さんにデザインを相談したことから始まり、今年で2年目の開催となるそうです。
開催場所は、古民家をリノベーションしたgullam.life&arts
葉山の御用邸近くの古民家レストランをリノベーションし、何気ない日常に心地よい時を共に刻む道具や作品を販売しているgullam.life&arts。漆黒の建物にかけられた暖簾のバランスのセンスがおしゃれな店内を予感させます。
自然光をたっぷり取り込み、梁をむき出しにした天井の高い店内は想像以上に素敵な空間でした。
店主石倉崇之さん・加菜子さんは代官山でメンズファッションのセレクトショップGULLAMを営んでいると聞いてこの空間のセンスの良さに納得。駆け出しの作家さんを応援したいという店主の想いから、意欲的な若手の作品も多く並んでいます。様々な作家の作品が並んでいるのに、すっと一本通ったセンスで統一されている美しい店内の一角にワークショップのスペースがあります。
しめ縄としめ縄飾りの違い
「しめ縄」は、紙垂(しで)をつけた縄のことで、神聖な区域を区分し、不浄が入れないようにするための標(しめ)となる神道における神祭具を指します。
対して、一般の家庭で年末に飾るのは「しめ縄飾り」。新しい年の歳神様(としがみさま)をお招きする準備ができている家だと示すための飾りです。歳神様は、新しい年の五穀豊穣や家族の健康をもたらす神様と言われていて、古来からお正月にお迎えするのが慣わしになっていますが、そのためのお飾りは、地方や家庭によって違いがあります。例えば、門松を飾る場合や、門松としめ縄飾りを両方飾る、またはしめ縄飾りだけを飾ることもあります。
このワークショップでは、「しめ縄飾り」を葉山の脱穀後の稲=藁と、葉山の海辺で集めた石を使って作ります。山の藁と海の石を掛け合わせ、お正月飾りとして陰陽のバランスを整える南天の赤い実と白い紙垂をつけて仕上げていきます。
オプションで石に加えて、水晶を追加することも可能です。(水晶は税込2,000円〜)
しめ縄のヨリは、通常の縄の逆方向
水につけておいた藁を1本ずつ丁寧にほぐしてから、綯(な)っていきます。しめ縄は普通の縄と逆のヨリ方をするのが特徴で、ヨリが向かって右になるように綯います。キツ過ぎずゆる過ぎないように、黙々と藁を綯います。来年の家族の健康を祈りながら綯うことに没頭する時間は、年末の忙しい時期に確実に心を落ち着かせ、穏やかな気持ちにしてくれました。
綯った藁を石に巻き付けていきます。参加者全員が1人で参加し、全員初対面でしたが、ワイワイと石を選ぶ時間はそれぞれの好みが現れてとても楽しい時間でした。
しめ縄飾りは1年中飾れるシンプルなデザイン
しめ縄飾りが完成しました。南天と紙垂を外せば、お正月以外にも飾れるシンプルなデザインが素敵です。来年一年飾り、来年の年末に新しいものと交換します。玄関や家族が集まるリビングに飾るのが良いそうです。
葉山で300年続く水田の藁を提供してくれた矢嶋さん
左から、ワークショップに使う稲を提供してくださった矢嶋さん、主催者の大串亜紀子さん、新田奈々さん、gullam店主の石倉加菜子さん。
矢嶋さんは代々300年以上も葉山で稲作を営み水田を守っていらっしゃいます。矢嶋さんの水田は山の上にありますが湧水が絶えないそう。代々無農薬でお米を作られていて、毎年小学生に収穫と脱穀の体験や、伝統的なしめ縄作りを教えてくれています。そんな豊かな経験ができる葉山の子供達は幸せですね。
大串さんの絶品スイーツと縁起のよい御神酒で予祝
ワークショップには、大串さんのスイーツがセットになっています。右から甘塩っぱさのバランスががたまらない柿の白和え。ベリーのはじける酸味とキャラメリゼしたナッツの香りと歯ごたえ、ふわふわしたメレンゲの口溶けがたまらない淡雪羹。紅はるかのねっとりした甘味とサツマイモ特有のほんわかした香りでボリュームのあるスイートポテトのチーズケーキ。水天宮の御神酒も予祝用に添えてくださいました。いずれも絶品過ぎていつまでも口に残したくなる美味しさでした。
「葉山で収穫した稲でしめ縄飾りを作る」というワークショップのコンセプトに惹かれて参加しましたが、作っている最中のマインドフルな時間とデザイン性の高いしめ縄飾りの出来栄えに大満足です。さらにほっとする美味しいスイーツまでついていて、お得すぎるワークショップでだと思います。
こんな素敵なワークショップができる葉山の自然と人の豊かさに感動する1日になりました。
今年のワークショップは全回満席で終了しているので、心惹かれた方はぜひ来年参加してみてください。何かと気忙しい師走に心落ち着く一時になりますよ!
主催の大串亜紀子さんと新田奈々さんは今後もワークショップを開催する予定があるそうなので、関連リンクに記載したお二人のインスタグラムをチェックしてください。
葉山の稲と石で綯う しめ縄飾りづくり
開催期間
2024年12月13日(金)11:30〜13:30、14:00〜16:00・12月15日(日)11:30〜13:30、14:00〜16:00
開催場所
gullam.life&arts
住所:〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町一色1974
駐車場:あり(4台 無料)
アクセス:JR逗子駅東口からバスで約15分。
逗子駅東口から3番乗り場「海岸回り」の路線(逗11、逗12)は「一色海岸」で下車(徒歩約1分)
2番乗り場「山回り」(逗4、逗5、逗6、逗7)の路線は「旧役場前」で下車(徒歩約2分)
参加費
6,600円(税込)※カード可
主催
大串亜紀子さん
関連リンク
- gullam.life&arts:gullam_life_arts
- 大串亜紀子さん:akiko_ohgushi
- 新田奈々さん:kona_nana、knml_nurseries