【鎌倉 グルメレポ】キューバサンドとオレンジワインの店「HANARE KAMAKURA」ー こだわりのメニューと音楽を楽しむ湘南の隠れ家
江ノ電腰越駅から徒歩5分。潮風が吹く路地を入ると、月に数日だけ営業するお店があります。メニューはキューバサンドとオレンジワイン、あと少しのドリンク類だけ。
オーナーが独自のこだわりで選んだ音楽やワインとともにオーガニックでスローな時間を楽しむ、湘南人のライフスタイルを体現したようなスポット「HANARE KAMAKURA」を取材しました。
メニューはキューバサンド一択!
キューバサンド(1,000円 税込み)は、アメリカの西海岸で誕生したサンドイッチです。キューバ系移民が考案し、コメディー映画のヒットで広まりました。
オーナー夫人が国産の小麦粉と天然酵母で焼いた自家製パンを使用。肉はポークとチキンの2種類。「ドレイン液」と呼ばれる、オレンジジュースにオレガノやローズマリーなどのハーブが数種類入った漬け汁に一晩漬け込み、さらに「モホソース」というパクチーベースのソースを塗って一晩寝かせた後にローストしたものです。
2種類のチーズと生ハム、ピクルスなども一緒にサンドし、バターを塗った表面を鉄板で焼いたら、ハーブを散らして完成!
食べてみると、サクサクとしたパンの歯ごたえに、コクのあるチーズと肉の味わいが絶品です。ハーブやピクルスなどの酸味もほどよく効いていて、しつこさは感じません。
付け合わせのサラダは無農薬の野菜を使用しているそうです。
種類豊富なオレンジワイン
店のもう一つの看板メニューがオレンジワインです。オレンジワインといっても果物のオレンジは関係なく、ブドウが原材料の白ワインです。
ナチュールワインという自然な製法で作られたワインの一種で、白ワインの製造工程では通常発酵前に取り除かれるブドウの皮を、そのまま残して発酵させるとオレンジ色になることから「オレンジワイン」と呼ばれているのだとか。
店にはオーナーがその時の判断で選定したワインを10種類程度置いています。産地は日本の甲州をはじめ、アフリカやヨーロッパなど世界各国のものを、都内のナチュラルワインショップから仕入れているそうです。
「THIS IS MUSKA 2021」(DOMAINE IN BLACK)は、フランス・アルザス地方のオレンジワインです。ユニークなワインのネーミングについて、生産者のDOMAINE IN BLACK(ドメーヌ・イン・ブラック)さんにメールで質問してみました。
「マスカットを表すミュスカ(muscat)とイギリスのバンド、バッド・マナーズの「This is Ska」という曲をもじった言葉遊びです。音楽とワインを組み合わせることが目的です」とのご回答でした。
音楽好きが作った、音楽好きのためのワインといったところでしょうか。
早速、ワイン(グラス1,300円 税込み)を試飲してみました。オレンジは関係ないと言いつつ、柑橘系の香りがします。「香りは、種類によって全然違うんですよ」とオーナー。
アルコール度数は11%と低めで口当たりが良く、ガツンとこないので抵抗なく飲めてしまいます。ふんわりと気持ち良く酔えて後に残らない、誰でも楽しめるワインだと感じました。
自宅の離れをDIYで改造した、大人の秘密基地
オーナーが自らDIYした店内は、お気に入りの物に囲まれた大人の秘密基地のようです。閉店後ものんびりと会話を楽しんでいるお客さんがいました。
メニューです。ドリンクのメニューは下写真参照。
ドリンクのラインナップは、その時々で変わります。オレンジワインのリストはInstagramでチェック!
各種カードやキャッシュレス決済も使えます。
「信念を持って作られた物を紹介したい」オーナーの加藤さん
オーナーの加藤淳一さんです。普段はラジオ制作会社にお勤めで、2021年にHANARE KAMAKURAを始めました。当初はレンタルスペースにする予定でしたが、コロナ禍に観た映画がきっかけでキューバサンドにハマり、元々好きだったオレンジワインとキューバサンドを出すお店を開店することにしたそうです。
音楽番組を制作していた加藤さんは音楽に造詣が深く、店に置いてある音源は1,000点近くあり、邦楽、ジャズ、ロック、R&B、ワールドミュージック、エレクトロと多岐に渡るジャンルから、その日の状況に合わせて曲をセレクトしています。
「店名のHANARE(ハナレ)には別の意味もあって、大量生産、大量消費の中心から少し離れたところにも良い物はある。そういうものを発信する場所にしたいという思いも込めています。みんなが来て面白いとか美味しいとか、そういう体験ができればいい」とオーナー。お店のBGMをきっかけに新たなお気に入りを見つけるお客さんもいるそうです。
アンティークなオーディオやカナダの伝統ニット~こだわりのインテリアにも注目
店内にはCDの他にアナログレコードやカセットテープなどさまざまな媒体があります。ソニーの「Tapecorder(テープコーダー)」という、昭和レトロなオープンリールのレコーダーがありました。1950~1960年代ごろに流通したホームオーディオで、アタッシュケースぐらいの大きさです。
お店にはお客さんがプレゼントしてくれたNHKのラジオ番組を録音したテープがあり、アナログならではの膨らみのある音が楽しめます。
壁に飾っているカナディアントラディショナルセーターは、本場カナダの「granted(グランテッド)」というブランドの製品です。お店に置いてある物は試着用の見本で、気に入ったら同じ物をカナダに注文して購入できるそうです。
開店日は要チェック!
開いている時しか行けない、穴場的スポットといってもよさそうなHANARE KAMAKURAさん。不定期営業なので、お店に行く時は開店しているかどうかを確認してほしいとのことです。「たまに営業していない日に来てしまって、そのまま帰られる方がいるので申し訳ないんです」とオーナー。店舗公式LINEかInstagramで営業日をお知らせしているので、行く時にはチェックしてみてください。
店舗紹介
【HANARE KAMAKURA】
住所:〒248-0033 鎌倉市腰越3-28-14
営業時間:9:00~15:00
営業日:不定期営業。下記Instagramで営業日を確認ください。
※駐車場:なし
※価格は2024年5月時点のものになります。
アクセス
江ノ電腰越駅より徒歩5分
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