【鎌倉 イベントレポ】「世界溺水防止デーに考える神奈川の海の安全」シンポジウム - 湘南で暮らす人みんなで海の安全を考えましょう!!
公益財団法人日本ライフセービング協会が実施する2024 Water Safety キャンペーンのイベントに参加してきました。
夏休みに入りましたね。
そして今年も異常なくらいの猛暑です。
当然、海や川、プールで水遊びすることが増えてきます。
神奈川県には、三浦、逗子、鎌倉、茅ヶ崎、大磯、真鶴、etcと魅力的な海が沢山あります。
海水浴やマリンスポーツも、他県に比べると寄り身近に楽しめる環境にありますよね。
ただし、海は楽しい反面、危険も伴います。
私たちが海を楽しむ上で忘れてはいけないことは、海を理解した上で楽しむこと。
それは、絶対守らなければいけないルールなのです。
そんな海の楽しさや危険予知の情報を発信し、いつも私たちを水の事故から守ってくれている人たちがいます。
「ライフセーバー」「水難救済会」「海上保安庁」に関わるお仕事をされている人たちです。
彼らの日々の活動によって、私たちは海を楽しめていることを決して忘れてはいけません。
毎年7月25日のは「World Drowning Prevention Day」(世界溺水防止デー)です。
今回のシンポジウムは、 「豪・ゴールドコーストライフガード」を交え、日豪間の政策や安全性の取組みを比較。
そして、「ライフセーバー」「水難救済会」「海上保安庁」それぞれの立場での水難事故予防と対策や海の魅力向上に向けての活動紹介を通して、みなさんで、海の安全のあり方を考えるものです。
世界溺水防止デー
‘2021年4月14日、国際連合は、溺水事故によって失われる人的・資源的被害の甚大さを懸念し、国連総会にて「Global drowning prevention」(溺水防止への世界的な取り組み) と題された決議を採択しました。その決議の中で、毎年7月25日を 「World Drowning Prevention Day」(世界溺水防止デー) とする事が定められました。’
シンポジウムの様子
[ゴールドコースト・ライフガード]活動報告
Chris Maynard Chief Lifeguard/James Dixon Manager Lifeguard Services
概略
・ゴールドコースト市と神奈川県は、34年の友好関係がある。
・ビーチパトロールは、1年365日毎値に朝8時から夕方5時まで行っている。
・レスキューボート以外に、ジェットスキーも使用。
・他
[日本ライフセービング協会]活動報告
救助救命本部長 石川 仁憲 氏
概略
・ライフセーバーは、現在220ヶ所の海水浴場で活動している。
・ライフセーバーによる救助数は、毎年2,000~3,000人。ファーストエイドにおいては、1万~2.5万人。
・近年は、海水浴場外での遊泳中の事故が増えている。遊泳中の事故の78%が海水浴場外。
・他
画像出典:湘南
画像出典:湘南人
[日本水難救済会]活動報告
理事長 遠山 純司 氏
概略
・海難救助の実績として、令和5年は324件の海難に出動。140隻443人を救助
・世界で唯一の「海のドクターヘリ」を保有
・「青い羽根募金」の実施。ボランティア救助員の救難機材確保、他に使用。
・他
[海上保安庁]活動報告
第三管区海上保安本部長 宮本 伸二 氏
概略
・神奈川は、横須賀海上保安部(横須賀,逗子)と湘南海上保安署(鎌倉~湯河原)で管轄
・水難救済会、ライフセーバーと合同で、小学生への安全教室を開催
・事故救助策として、ライフジャケットの着用、携帯電話保持(防水バックに入れて保持)とGPS機能をONとした携帯電話からの連絡を推奨(118番,NET118を利用)。
・他
パネルディスカッション
「令和時代の海の安全を考える」
神奈川県 文化スポーツ観光局長 篠原 仙一 氏
鎌倉市長 松尾 崇 氏
日本ライフセービング協会理事長 入谷 拓哉 氏
笹川平和財団 海洋政策研究所(OPRI)研究員 田中 広太郎 氏
概略
パネルディスカッションでは、人材確保について、安全管理のあり方、安全教育、危険予防の発信について、県、市、実際に海を守るライフセービング協会、OPRIの意見交換が行われました。
まだまだ課題が多いとの共通認識もあり、今後の連携についても継続して行っていくとのことでした。
まとめとして
全体を通して、「ライフセーバー」「水難救済会」「海上保安庁」のみなさんが、口を合わせて言われていたことは共通していました。
・安全教育の重要性
海の安全を守るたために、ドローンやAIを使った技術を取り入れ、より救助活動がスムーズに行えるようにしてきていますが、救助には限界があります。
何より事故に巻き込まれないことが大切であり、その為には、海の安全教育を学校や地域の活動の中でもっと取り入れて貰うことが重要です。
・人材が足りない
人材が不足しており、全ての海水浴場に、ライフセーバーが置かれているわけではない。ライフセーバーのいない場所(海水浴場以外も含む)の事故も多く、対策が必要。
さらには、ライフセーバーは、ボランティア活動で成り立っている部分がある。
活動に参加してくれている学生たちは、就職と共に離れていってしまう。消防職員等が、非番の時にボランティアで参加してくれているのが実状。
彼らが、ボランティアではなく、兼業として活動できるようにしていかないと人材確保は難しい。
ライフセーバーではなく、職業としてのライフガードの様な職を作る等、人材確保については、県や市を巻き込んでいく必要がある。その為の活動を今後も継続していく。
・海の魅力を広く伝えるのと同時に安全性についても情報を発信していく
まず、海は楽しいということ。
魅力的な神奈川の海について情報発信していくことは、観光視点においても大切。
そんな海の魅力を伝えながら、安全性についての情報発信をもっと行っていく。
最後になりますが
海の安全性について、私自身も無知な部分が多かったなと学びの多いシンポジウムでした。
場内は聴講者でほぼ満席。
冒頭の黒岩祐治県知事の基調講演から始まり、海の安全性への注目度の高さを感じました。
そして「ライフセーバー」「水難救済会」「海上保安庁」のみなさんの活動についても、改めて知った部分が多くありました。
海を楽しむためには、まずはちゃんと安全性の予備知識を持つことが大切です。
関連リンクに、「ライフセーバー」「水難救済会」「海上保安庁」のホームページを入れましたので、是非ご覧下さい。
彼らの活動や海の安全性について、改めて触れてみる良い機会かもしれませんね。
関連リンク
【イベント情報】7/25参加者募集「世界溺水防止デーに考える神奈川の海の安全」
公益財団法人日本ライフセービング協会
公益社団法人日本水難救済会
海上保安庁
e-Lifesaving
World Drowning Prevention Day