【鎌倉 学びスポットレポ】蟲???養老先生とみんなの虫ラボ-子どもも大人も楽しめる虫の研究室
見て触って聞いてにおいをかいで、五感で楽しむ虫の世界
解剖学者で、無類の虫好きで昆虫学者としても知られる養老孟司さんによる企画展「蟲(むし)???養老先生とみんなの虫ラボ」が、鎌倉市の鶴岡八幡宮境内にある「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」で9/1(日)まで開催されています。
入ってすぐに目に飛び込んできたのは3mmしかないゾウムシの足先を700倍に拡大したという大きな模型。本来顕微鏡でしか見られない世界を肉眼で見ることができます。
子どもが興味を持ったのは虫の「音」を触って感じられるコーナー。普段私たちには聞こえない音や振動を触ることができます。
ちいさな虫たちの眼から見える世界を最新の技術を使って見る展示や、CT装置を使って虫を観察するコーナーもありました。
なんと虫のにおいを嗅ぐことができる装置も!ちょっと怖いような気もしますが、食品にも使われる香料で安全に再現されているそうなのでぜひチャレンジしてみてください。みんなが嫌がるあの虫が、実はいい匂いだったり、虫からにおう甘い香りがわたしたちの食品の香料と共通性があったりと、いつもと違う見方をすることで新しい発見があります。
特殊な技術で撮影された虫の世界を映像で見ることができるコーナーもおすすめです。わたしたちの目では見ることができない、ちいさな虫の羽の動きや、自然の中に隠れている虫の姿を探すことができます。
虫の羽がどのように羽ばたくのか、普段であれば想像もしたこともない世界です。初めて見る姿に大人も子どももじっくり見ていました。
虫の見方から世界の見方へ
後半は標本がずらりと並ぶ「ラボ(研究室)」になっています。ずらりと並ぶ標本は圧巻です。
養老先生の机もあり、会期中実際にいらっしゃることもあるそう。標本を作っている最中のものもありました。
標本のほかに「虫屋」と呼ばれる虫好きな画家・アーティスト・作家から見た虫の世界が紹介されています。
この日は原画が展示されている、絵本「なんだこれは」の作家でもあり、イラストレーターの横山寛多さんが会場にいらっしゃいました。
絵本に出てくる虫たちは実際に鎌倉に生息している虫なんだそう。見たこともない虫もたくさん描かれていました。
養老先生のエピソードや、虫についてなど、実際にお話を聞くことができました。
標本のテーブルでは椅子に座って観察したり、スケッチすることもできます。養老先生や「虫屋」さんがいたら、虫について質問してみるのもおすすめです。
子どもたちはみんな真剣にスケッチをしていました。
スケッチはここに貼って帰ってもいいし、持ち帰ることもできます。子どもだけではなく大人の力作もたくさんありました。
見方を変えれば世界も変わる
最後には養老先生がみんなに伝えたいことが書いてありました。
「虫がいる背景に植物があり、自然があります。虫に興味を持つことで、自然に関心を持ち、何かに気が付いてもらいたい。」
虫は大人になるにつれ、いない方がいい存在になってしまいますが、小さな虫たちの世界にも自分たちの知らない世界が広がっているということにこの展覧会では気づけたと思います。
今虫が大好きな子どもはもちろん、虫が嫌いな大人も、昔虫が好きだった大人も、みんなが楽しめる「蟲???養老先生とみんなの虫ラボ」。夏休みの締めくくりにぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
展覧会情報
【蟲???養老先生とみんなの虫ラボ】
■会場:鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-53
■会期:2024年 7/8(月)~9/1(日) ※会期中無休
■開館時間:午前10時~午後4時30分(入館は閉館30分前まで)
■観覧料:一般 1,500円/小中学生 1,000円 /小学生未満は無料
■主催:有限会社養老研究所
■お問合せ:mushi.hatena.info@gmail.com
関連リンク
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