【藤沢 イベントレポ】ゴールの先に救う生命がある。「全日本ライフセービング選手権」3days開催
第50回目となる記念大会
ジリリと日差しが照り付ける秋の片瀬西浜海岸。
季節が夏に逆戻りしたようでも、かえって心地よい海日和となった10月スポーツの日の3連休、「全日本ライフセービング選手権」が開催されました。
今年で50回目を迎える記念の大会は、ライフセービングの本場、オーストラリアやニュージーランドからの招待選手も参加し、通年より1日多い3日間となったレースは大いに盛り上がりをみせました。
競技となるライフセービングとは
ライフセーバーは、「海の安全を守る」、「人の命を守る」、大人も子供も「誰もが安心して海を楽しむ」ために日々トレーニングをしています。
その競技となると、スイムやパドルなど体力や技術などの総合力が問われることになりますが、それは結果的に誰が「一番早く一番多く人の命を救えるのか」を証明することにもなるのです。
ゴールの先にある、救う命の為の戦い。「スポーツ」というくくりとは少し違い、使命の重みまで詰まった戦いがそこにはありました。
競技内容を大きく分けると、ビーチでは「ラン」を中心に、オーシャンでは「スイム」と道具を使って行う「サーフスキー」「ボード」「レスキューチューブ」などの種目があります。
2032年には、ライフセービング発祥の地オーストラリアブリスベンオリンピックで採用種目となる可能性も高く、注目度も益々高まってくるでしょう。
Day 1
初日はエキシビジョンとして、ニッパーボードレース(※1)も開催。たくましいジュニア達の姿に、観客の声援も高鳴ります。
(※1)ニッパーボードとは、ボード全体が柔らかいウレタン素材でできており、安全・安心設計がされていて、ジュニア競技やトレーニングで使用されるボードのこと。
オーシャンエリアでは、「サーフレース(スイム)」、「ボードレスキュー」の2種目が、ビーチエリアでは、「ビーチスプリント」と「ビーチリレー」の2種目が行われました。
「ふじさわLIFE FEST」が同時開催
第50回記念として、水辺の事故ゼロ・海辺の楽しさと環境を考える誰もが参加できるイベント『ふじさわ LIFE FEST』も同時に開催されていました。
メインスポンサーであるスバルのブース。
「一つのいのち」プロジェクトとして、「ひと」と「自然」の命を守ることをビジョンに、未来にむけて活躍する人をスバルは応援しています。
海にまつわるグッズショップや、湘南で活躍するキッチンカーも多く並んでいて、観客はもちらん選手たちも楽しそうに見て回っていました。
Day 2
前日と似た、強い日差したっぷりの2日目。
オーシャンエリアでは「ボードレース」に加えて、花形競技のひとつでもある「オーシャンマン」「オーシャンウーマン」が、ビーチエリアでは、「ビーチラン(2km)」と「ビーチフラッグス」準決勝までが開催されました。
オーシャンマン/オーシャンウーマンとは、陸上で言うトライアスロンや10種競技のような鉄人レースと例えられるでしょうか。泳いで走って、ボードやサーフスキーを漕ぎ、風と波を読む感性や体力も必要な4種を一度に行うレースです。
4種目の競技順は前日の夜に決まるそうで、得意不得意が多少は影響されるとのこと。
力の限りゴールを駆け抜けた後、倒れこみ苦しそうな表情で天を仰ぐ選手もいます。違うチームであっても、海を守る仲間に変わりはありません。シーズン中は冷静に監視をしているライフセーバーの皆さんの、普段は感じさせない影なる努力の跡に心が打たれます。
それはビーチ競技でも同じ。体感では優に30度を超える砂の上のラン2㎞は、かがんで応援するだけでも大変なエネルギーが必要であるところ。人を救うために力ある限りを尽くし、汗や砂にまみれながら駆けていきます。
Day 3
最終日。
これまでの2日間と同じ晴れた空でも、風と波が強くて富士山がくっきりと見えた1日。
オーシャンでは「サーフスキーレース」「レスキューチューブレスキュー」と「オーシャンマン&ウーマンリレー」が、ビーチエリアでは「ビーチフラッグス」決勝が行われました。
そして、全国から集まった30チームの中から、全ての競技のポイントによる総合順位が決定します。
第50回大会は、地元湘南「西浜サーフライフセービングクラブ」が見事総合優勝を飾りました。昨年の大会では3位でしたが、1年間の努力が実りポイントでは2位と倍近く差をつけての優勝。
上位6位内には、西浜はじめ、湯河原・茅ヶ崎・大磯と、地元湘南チームが入賞しました。
競技が終わった後の選手たちの表情はとても爽やかで、何よりも眩しかったのが印象的です。
今大会の期間中には、総合優勝を飾った西浜サーフライフセービングクラブ所属の注目選手、浜地沙羅選手・浜地櫂依選手姉弟に密着をさせていただきました。そちらも併せてご覧ください。
【藤沢イベントレポ】第50回全日本ライフセービング選手権- 西浜S.L.S.C 浜地沙羅選手・浜地櫂依選手姉弟に密着
大会概要
【第50回全日本ライフセービング選手権大会】
■主催:公益財団法人日本ライフセービング協会
■日程:2024年10月12日(土)〜14日(月・祝)
■会場:片瀬西浜海岸(神奈川県藤沢市片瀬海岸)
■助成:独立行政法人日本スポーツ振興センター
■後援:国土交通省、スポーツ庁、消防庁、海上保安庁、神奈川県、藤沢市、日本赤十字社、公益社団法人日本水難救済会、公益社団法人藤沢市観光協会、公益財団法人日本水泳連盟
■協賛:株式会社SUBARU、株式会社BS日本(BS日テレ)、株式会社ポピンズ、株式会社櫻井興業、株式会社クレーマージャパン
■協力:江の島海水浴場協同組合、江の島片瀬漁業協同組合、株式会社オフサイド、公益財団法人かながわ海岸美化財団、一般社団法人神奈川県ライフセービング協会、鵠沼サーフショップ組合、鵠沼ビーチクリーンクラブ、株式会社湘南なぎさパーク、株式会社殿網、特定非営利活動法人⻄浜サーフライフセービングクラブ、公益社団法人日本サーフィン連盟 湘南藤沢支部、藤沢市漁業協同組合、公益財団法人藤沢市みらい創造財団、三菱地所株式会社 横浜支店