【鎌倉市】デザイナー梅澤杏奈さんが国際的アートイベントで新しいファッションを提案 ~アンティーク着物を日本でも活性化したい〜
国際的アートイベントで新しいファッションを提案する「梅沢杏奈」さん
梅沢杏奈さんは、神奈川県鎌倉市でアトリエを構え、装飾品デザイナーとして精力的に活動している。
株式会社マリエフルリールの代表でもある。
梅澤さんは、「私は日々の活動で、アンティーク着物という昔の職人さんたちの技術の結晶である着物を後世へバトンを繋げるように動いております」と語る。
その活動の一つとして、来たる5/21に「アジア最大級の国際的アートイベントのデザインフェスタ」に、アンティーク着物を再活用した新しいファッション (フクキモノ)を提案する。
このショーを開催する意図は、「日本の古き良き着物たちが新しくカタチを変えていくことの価値」について多くの人に知ってもらい、日本文化の新しい伝承の形となるのではないかと考えたからだそうだ。
日本では低く評価されているアンティーク着物が、海外では高く評価
梅澤さんは、今年3/3に行われたパリのファッションウィーク (通称パリコレ) において、スーツブランドのコレクションの一部としてアンティーク着物の生地を使った小物を出品した。
パリコレではアンティーク着物の生地を使った小物が高く評価されたが、日本での価値は低く不用品とされているという価値観の違いに違和感を感じたそうだ。
「海外で評価される日本の古き良き着物を、現在の日本でも活性化できたら、着物文化への発展に少しでも寄与できるのではないか」と梅澤さんは考えている。
現在の日本の着物の現状
昨今、私たちは日常に着物を着なくなり、代々譲り受けたアンティーク着物たちは「タンスの肥やし」になってしまっているのではないだろうか。
古い着物は、経年劣化もあり、買取で価格がつかず「ゴミ」として捨てられてゆくことが多い。
梅澤さんたちは、そんなアンティーク着物たちを、今の時代にも活かせるよう、様々な活動 (ファッションショーや小物展示会など) を積極的に行ってきた。
活動していく中で、悔しい思いも
「とても悔しい思いをしてきました」と語る梅澤さん。
同業者に「アンティーク着物なんて見窄らしい!! 現在の着物の価値が下がってしまう!」と言われたことがあったそうだ。
梅澤さんは、そんな経験から「古い着物 = 価値がない」という、常識の破壊を起こす必要があると考えた。
元々は50万、80万、100万以上 (現在の価格で換算すると) するような着物や帯。
しかし、それをアップサイクルし、カタチを変えて新しいものを作れど、なぜか今の日本の市場でこれを販売するときには「数千円~1万円程度」になっている。
日本の伝統文化に対する危惧と、後世へ伝え残したいという気持ち
「こんなことをしてたら、日本文化として価値があるはずの古き良き着物は、どんどん価値がなくなっていってしまう」と危惧している梅澤さん。
梅澤さん自身も、アンティーク着物の価値を伝えたいのに、うまく価値を伝えられずに安売りしている部分があったとのこと。
しかし、「アンティーク着物をアップサイクルしていくこと自体の価値を高めたい」という気持ちは変わらない。
そのため、「実際に素晴らしさを見てもらえる機会を作ろう」と思い、今回のように大きなデザインフェスでショーを行うこととなった。
伝統文化を守り伝えられるのは、現在を生きている私たちである。
梅澤さんの活動は、今の日本で忘れかけていた大事なものを、気づかせてくれるのではないだろうか。
問い合わせ先
梅澤杏奈 (株式会社マリエフルリール代表)
神奈川県鎌倉市大町1-7-1 セビニエ101
電話 : 0467-37-8676
携帯 090-8588-0190