【鎌倉 グルメレポ】おそば 手繰(たぐる) - 山間にあるカジュアルで粋なお蕎麦屋
昼時に、お蕎麦屋さんで軽く一杯ひっかけるって粋な感じがしませんか。
鴨たたきでもアテに軽く呑んで、せいろ一枚でしめる。
落語にも、そば屋を舞台にした粋な小話がいくつかあります。
男「おやじ、お勘定。いくらだい?」
蕎麦屋「十六文でございます」
男「おう 分かった。あ、悪わりぃけど 細けえ銭しか無ねえんだ。
一枚ずつ数えて払うからよ、手ぇ出しとくれ。
一、二、三、四、五、六、七、八、おう、ところでいま何刻(なんどき)だい?」
蕎麦屋「えー、九つで」
男「そおかい九つかい。十、十一、十二、十三、十四、十五、十六と。じゃ、ごっそさん。」
落語「時そば」の一コマです。
食い逃げではなく一文ごまかすところに、蕎麦屋との駆け引きを楽しむ小粋さを感じます。
落語でなくとも、実際にお店の人との会話が楽しいと料理も美味しくなりますし、また行きたいと思いますよね。
今回は、そんな粋でまた行きたくなるようなおそば 手繰(たぐる) をご紹介します。
お店紹介
おそば 手繰は、江ノ電 極楽寺駅の目の前にあります。
江ノ電と言えば、狭い住宅街を抜ける、海沿いを走る、路面を走る等のイメージがありますが、そんな中ここ極楽寺駅は山の中にぽつりとある静かな駅です。
駅前を、長谷と稲村ヶ崎を結ぶ細い一本道が抜けて行きますが、まわりにはお店もほとんどなく、山間の片田舎にでも小トリップした様な叙情ある場所でもあります。
手繰のオープンは、2023年6月21日です。
店名を「手繰」としたのは、“手繰る”という日本語が日本人の心ゆかしさを感じさせること。
そんな和の語感を持つ言葉を蕎麦屋の名前に使いたいと思いました。
“手繰”には、もう一つの込めた想いがあります。
蕎麦を手繰るとか手繰り寄せるというところから、“ここに人が集まる”、“ここで人が繋がっていく”ことが出来たら良いなという思いです。
そう話してくれたのは、オーナーの岡田潤さん。
日本の伝統を重んじていく心意気にも粋さを感じました。
まだオープンして間もないお店ですが、すでに常連さんも多く、夜は外の通りまで笑い声が聞こえてきます。オーナーやスタッフさん達の優しい人柄が、既にお客さん達の心を掴んでいるようです。
メニュー紹介
今回頂いたメニューの中から少しだけご紹介します。
鴨せいろ 1,800円(税込)
合鴨のコクとうま味。ネギの奥深い甘み、香り、食感。
おつゆに全てが調和し蕎麦に絡み合う。
一口食べたところで思わず微笑んでしまうような、是非食べて頂きたい一品です。
とろろそば 1,300円(税込)
とろろがつゆに溶け込み、蕎麦と絡み合い、口の中で複雑な食感と味と香りをかもし出します。
蕎麦とつゆのうま味をうまく引き出した、これまた最高の一品です。
花巻そば 1,150円(税込)
一面海苔に覆われています。まさに海苔が主役。
いや海苔が主役を食うとでも言うべきでしょうか。海苔の香りに包まれながら蕎麦を食う。
これまたリピートしたくなるインパクトの有る一品です。
お蕎麦以外にもお酒に合う一品料理や季節物メニューを用意してあります。
いろいろな食材を日々試行錯誤しながら味を追求しています。
鴨ロースたたき 1,400円(税込)
肉汁を中にじっくり閉じ込めた、ジューシーな味わいの一品。お試しあれ。
お蕎麦屋さんの出汁巻き卵 800円(税込)
蕎麦屋と言ったらこれ。口の中をほふほふさせながら熱々のたまご焼きを頂きます。
無限ポテサラ 660円(税込)
おつまみと言ったらこれでしょう。おつまみのテッパンですね。
日本酒 800円~(税込)
他にもビールやワインも取り揃えています。
蕎麦や食材へのこだわり
蕎麦や食材へのこだわりも徹底しており、実際に現地を訪ね自分の目で確かめた物を使うようにしています。遠くまで足を運んで自ら確かめる。食材一つ一つへの徹底したこだわりからも、食に対する情熱が感じられます。
そば粉は、秋田の株式会社OGURA (旧株式会社おぐら製粉所)のものを使用。
環境と共生した循環型で安全な農地からの有機穀物・無農薬全粒粉加工品、蕎麦粉事業を進めている会社。
義母である岡田サリーさんからの紹介もあり、現地を訪ね、OGURAさんの蕎麦粉への徹底したこだわり、さらには農業育成や地域貢献等の取組みに感銘を受け、ここのそば粉に決めました。
国境・貧富・人種・宗教を超えて、「Good is Good」 「Best is Best」。 当社と関係する皆様と一緒に「食」とは「人に良い」ということを目指す企業であり続けたいと思います。
参照元:株式会社OGURA-会社情報
鴨は、茨城 西崎ファームのものを使用。
完全放し飼いで、ミネラルが豊富な水を潤沢に摂取し、降り注ぐ太陽を浴びなのんびり育てるのではなく、育ってくれるのを待つ。45日かけるところ90日かけゆっくり成長させる。こちらにも足を運び、その飼育方法や納品までの早さ、質の良さで決めました。
ワカメやアカモクは、由比ヶ浜の漁師さんから分けてもらっています。
地元の物を大切にしたいとの思いもあり、実際に干す作業などを手伝いながら、自分の目で確かめたものを使っています。
極楽寺駅にできた新しい灯り
最後になりますが、ここ手繰のお店の雰囲気が好きです。
外観のクラシックな雰囲気に反し、内観はカジュアルで温かい。
そのギャップも楽しいし、何よりスタッフの皆さんが温かく、とても居心地の良いお店です。
鎌倉にあり、人の賑わう小町通りと違い、山間の静かな場所にあるお蕎麦屋さん。
夜は暗闇にまぎれる極楽寺ですが、駅前にほんのり明るく浮かぶ手繰の灯りには温もりを感じます。また来たいって思えるお店でした。
「ごちそうさまでした。美味しかった。また来ます。」
店舗紹介
【おそば 手繰】
■住所:神奈川県鎌倉市極楽寺1-3-1
■電話番号:0467-26-2640
■営業時間:[月・火・金・土・日] 11:30~15:00(L.O.14:30)、17:30~21:00(L.O.20:30)
■定休日:水曜日、木曜日
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
関連リンク
手繰|Instagram
goodmellows|Instagram
松原庵|公式サイト
Sally✖️お蕎麦屋さん/本日極楽寺にOpen/初日から大盛況、有難うございました🥹🙏❤️ #鎌倉 #蕎麦 #手繰 - YouTube