【小田原 グルメレポ】TEA FACTORY 如春園 - カレーとデザートも美味しいグローバルで個性豊かな紅茶屋さん
旦那さんは、元ツアーコンダクター。デリー、チェンナイ、ダージリン。中でもインドは、そのほとんどの州に行ったことがある。
奥さんは、フランスが大好きで、パリやエクスアンプロバンスに住んでいたこともある。そして元パティシエ。
そんなお二人が今、小田原で茶農家をやりながら紅茶造りをしています。自分たちで茶樹を育て、葉を摘み、紅茶へと加工する。
そして紅茶を売る傍ら、美味しいカレーとデザートも提供する。
今回は、そんなグローバルで個性豊かなご夫妻が手掛けるお店、『TEA FACTORY 如春園』をご紹介します。
『TEA FACTORY 如春園』は、箱根登山線の箱根板橋駅から歩いて5分。
車も少ない、静かな旧東海道沿にあります。前を通り掛かっただけでも、気になってしまうこの外観は、元お豆腐屋さんをリノベーションしたもの。この昭和な外観が、目を引きます。
店内紹介
入口の引き戸を開けると土間になっており、その正面に喫茶スペースへの入口があります。
土間の左側は紅茶工房。右側は、紅茶や小物の販売スペースです。
なんとも木の温もりをいっぱい感じる、落ち着いた店内です。
工房に並ぶ見慣れぬ機械も気になりますが、とりあえず奥の喫茶スペースへと足を運びます。
オーナーさん紹介
オーナーは、小倉友哉さん、純子さんご夫妻。
友哉さんは、元ツアーコンダクター。ツアーを企画して、お客さんを海外にお連れする。中でも専門家の人達(紅茶、写真、料理、ソムリエ、メディカルハーブ、宗教、etc)向けの企画を主にしていたとのこと。
例えば紅茶関係者には、紅茶工場や茶園の見学と茶摘み、アフタヌーンティー等を体験してもらう。写真家とは、撮影スポット巡りや猫の撮影。料理家やソムリエなら、ワインのテイスティングや産地巡り。そして大衆的な屋台から5つ星ホテルの料理までを堪能してもらう。他にも、料理教室の体験や、カトラリー屋さんでの買い物、バザール散策等さまざまな企画をして来たそうです。
観光ツアーでは味わえない、専門的な自由なツアーばかりで、話を聞いただけでもワクワクし通しでした。私も行ってみたい(笑)
一方、純子さんといえば、元々はパティシエ。フランスが大好きで、学生時代には、パリとエクスアンプロバンスに住んでいたことがあるとか。その時に、友人に紹介されたパン屋さんで、お菓子作りの手伝いもしていたことがあるそうです。
「パリは人種が色々。毎日フランス語が聞けて幸せ。パリの街が美しい。美味しいものが沢山ある。地下鉄で歌う人がいる。文化的。お店の閉店時間にお客がいても電気が消される。」など、パリの思い出もいっぱい話てくれました。
私もパリへ行ったことがあります。パンを食べに。本場のバケットを食べてみたくて、本場のクロックムッシュってどんな物なのか知りたくて、食べ歩きの旅に行ったことがあります。インドも、本場のスパイスカレーが食べてみたくて、カレーの食べ歩きに行きました。
なので、今回お話を伺いながら、もう現地の思い出話に花が咲いてしまい、すっかり取材を忘れて語り合ってしまいました(笑)
フランス好き、インド好き、旅好きの方には、お勧めのお店です。お二人とも気さくにお話してくれます。
料理紹介
スパイスカレー
「シンプルに、素材とスパイスを相性良く使いたい。見た目と味のバランスを大切にしています」
カレーを作るのは友哉さん。インドで食べ歩いた味を思い出しながら作ります。
カレーは3種類。ケララチキンカレー、ポークヴィンダルー、ひよこ豆のカレー。それと3種類を盛り合わせたスペシャルミールス。
副菜もいろいろ付いています。
スペシャルミールス カレー3種盛り 1,600円(税込)
まずは、カレーと副菜を一つ一つ味わいます。どれも美味しいです。
次は、ちょっとづつ混ぜ合わせて行きます。カレーだけではなく、副菜も混ぜ合わせます。
組み合わせが増えれば増えるほど、新しい味になっていきます。そのたびに変わる味に感動。自分だけの好きな味が出来ていきます。
そして最後は、全部ごちゃ混ぜです。
ごちゃ混ぜにするって、最初は後ろめたさというか抵抗を感じるじゃないですか。でも、この味の変化を楽しんで下さい。
最後は、もうどうにでもなれって感じで、思いっきり、ごちゃ混ぜにしてください(笑)
これこそが、ミールスの魅力です。
ひよこ豆のカレー 1,200円(税込)
ケララチキンカレー 1,300円(税込)
ポークヴィンダルー 1,300円(税込)
クラフトビール 770円(税込)
デザート
「今まで食べて、美味しいと思ったものを参考に作っています。旬の物を美味しいタイミングで、食べて頂けるように心がけています。」
もちろん、デザートを作るのは、純子さん。
本日は、ほうじ茶のバスク風チーズケーキ、紅茶のプリン、ガトーショコラフランボワーズ風味が用意されていました。
純子さんの作るデザートは、とても上品です。甘さ控えめで、抹茶とか紅茶とか、素材の味がじわぁと口の中に広がります。
美味しいものを食べると“目が丸くなる”って本当ですよね。
一口食べて、「美味しい!!」って、マンガみたいに目をキラキラ丸くしている風景を、このお店で何度も見てきました(笑)
なので、デザートも迷わず食べてみて下さい。本当に美味しいです。
ほうじ茶のバスク風チーズケーキ 550円(税込)
抹茶の濃い香りが口の中に広がる。しっとりとしたスポンジと深いクリーミーな味わい。
紅茶のプリン 550円(税込)
紅茶が香る弾力のあるプリン。プリンを食べた!という充実感があります。美味しいです。
ガトーショコラフランボワーズ風味 550円(税込)
カカオの効いたチョコレート味。しっとりとした食感で、美味しい。
酸っぱい赤いクランベリージャムが良いアクセントです。
そして紅茶
紅茶園を始めたのは、かれこれ15、6年前になるそうです。もともと茅ヶ崎出身の友哉さん。ツアーコンダクターをしていた頃は、都内まで通勤していたそうですが、将来的には、田舎での暮らしを考えていたとか。
そんな時に、たまたま神奈川県の “茶農家新規就農制度募集” を見つけ、応募したのが始まり。
当時は、ツアーコンダクターの傍らに茶農家を始めましたが、今では本業とし、ここ『TEA FACTORY 如春園』を立ち上げました。紅茶造りには、紅茶専門家ツアーで、茶農家や紅茶工場を見学に行った時のメモも役に立っているそうです。
こゆるぎ紅茶 600円(税込)
紅茶ができるまでの工程が、イラストになって貼られています。
イラストが、友哉さんそっくり(笑)
如春園さんのホームページにも、詳しい説明が書かれていますので、ご覧下さい。
店内風景 -癒やし空間-
純子さんに、デザートの質問をしながら「パリの雰囲気をどんな風に出したいですか?」と聞いてみたところ、
「なんか、パリよりインドっぽくなって来ちゃって(笑)」と、返ってきました。
店内は、パリというより、まさにアジア(笑)
でも、とても癒やされる空間です。店内を彩る本や小物達を見ているだけでも飽きません。
イベント紹介
如春園では、喫茶スペースでライブ演奏やセミナー等を開催しています(部屋の奥にピアノも常設されています)。
ちょうどこの日は、ここで定期的に演奏会をされている中丸さん、近藤さん、坂田さんトリオのライブが行われていました。
古民家でしっとりとした演奏を聴く。とても癒やされました。
中丸さん作曲のここ “如春園” をイメージした曲も演奏されていました。お店のイメージにぴったりです。機会があれば是非聴いてみてください。納得します。
演奏者関連リンク
中丸 倖爾(Piano) ホームページ, インスタグラム, 曲「Oyasumi」
坂田 桃子(Cello) ホームページ, インスタグラム
近藤 拓(Oboe)
如春園では、イベントやワークショップが開催されていますので、詳細はこちらをご覧下さい
如春園イベント・ワークショップ予定スケジュール
あとがき
「ここで、農家のやり方や農家の良さをモデルになって伝えていきたい」 と友哉さん。
全国で、農家さんが減ってきている現状があります。世界を見たお二人が、日本の農業に託す希望。
取材前に、紅茶や茶樹のことをいろいろ調べたのですが、『TEA FACTORY 如春園』のホームページが、凄くわかりやすく出来ていて、こちらを見ただけでとても勉強になりました。
今回、取材と言うことでいろいろお話を伺いながら、旅の話で盛り上がってしまいましたが、懐かしい話が沢山出来て嬉しかったです。
友哉さんと純子さんが見てきた世界。
東洋も西洋も関係なく、お二人がここ小田原で創る“如春園”という世界。
ここには、冒険心と癒やしと美味しい料理の全てが詰まっていました。みなさんも小田原方面に行かれましたら、是非寄ってみて下さい。
店舗情報
【TEA FACTORY 如春園】
■住所 〒250-0034 神奈川県小田原市板橋636
■電話 0465-20-4361
■FAX 0465-20-4362
■E-mail : joshunen@gmail.com
■営業時間
ランチ(カレー):11:30〜14:00
喫茶:14:00~17:00
※ランチご予約は12時までのご来店の場合で承っております
■定休日 日曜日・月曜日
(新茶、2番茶の時期は不定休)
■駐車場 4台スペースあり
※駐車場には限りがあるため、複数台でのご来店は他のお客さまの為避けて頂ければ助かります。