藤沢市 善行雑学大学第268回「鎌倉幕府宿老御家人から見た『義時』政権」
北条義時の評価は戦前と戦後では大きく異なる
とことこ湘南のホームページに「善行雑学大学第268回「鎌倉幕府宿老御家人から見た『義時』政権」」という記事が掲載されていました。
北条義時の評価は戦前と戦後では大きく異なる。
それは尊氏と義貞の評価にも等しいほどであった。
すなわち、天皇を廃立して三上皇をも島流しにするという「大挙」をなした人物として考えられてきたからである。だが、こうした政治処断を彼一人が個人でできるものではないはずである。
当時の政治社会に置き直してみれば、彼が育ってきた時代は、カリスマ将軍頼朝が突然死し、頼家・実朝という源家将軍最後の時代であった。その背後には、東国武士の「意思」を、どのように「政治意識」として吸い上げ、「具現化」していくか、その厳しい「観察者」たちの「眼」があったといえるのではないだろうか。「観察者の眼」とは、つまり、大多数の御家人らの「眼」であったのだ。「反乱者」政権朝廷・摂関家権力にその実力を認めさせ、東国政権として相対化させた、その原動力は決して「義時」個人ではない。
こうした意味から、鎌倉政権が奇しくも創造した「宿老」集団こそ、その原動力であったと考えている。
それはまた体制内に多くの「矛盾」をも持ち込むこととなったのである。「義時」はその時代の代表に祭り上げられたと言えるだろう。その張本人は、鎌倉幕府の有職奉行人たち、すなわち「吾妻鏡」の編纂官たちであったのだ。と妄想する。
開催日 2021年9月19日(日)
時間 14時~16時
場所 善行公民館 3F 多目的ホール
料金 資料代500円講師:伊藤 一美氏 (鎌倉考古学研究所理事)
歴史について専門家視点から学べる、とても良い機会ですね。