【茅ヶ崎 体験スポット】河童徳利ひろば - 「河童徳利伝説」をイメージしたノスタルジックな気分に浸れる公園
あの【まんが日本昔話】でも放送された「河童徳利」
茅ヶ崎市西久保及び寒川町大曲の境に位置する小出川大曲橋の側に、新しく作られた公園『河童徳利(かっぱとっくり)ひろば』。
近くを通りかかる機会が何度かあり、工事中から気になっていたので完成後に早速訪れてみました。
お天気のよい日で、小さなお子さんを連れたお母さんや、赤ちゃんを抱っこしたお父さんらしき人、お散歩の年輩の方々などがいらっしゃいました。
ベンチに座っていたりお散歩していたりと、それぞれの憩いの時間を過ごしている様子。
川側に置かれたベンチは、のんびり川を眺めるのにもピッタリです。
みなさまは、こちらの公園のモチーフになっている「河童徳利」という民話をご存知でしょうか。
園内には「河童徳利」の民話を紹介するボードがあり、このように書かれていました。
むかしむかし茅ヶ崎の西久保に、五郎兵衛爺という馬方(うまかた)がいました。
ある日、五郎兵衛さんが仕事終わりに馬を川で洗っていると、馬の尻に河童がかじりつきました。驚いた五郎兵衛さんは河童を捕まえますが、河童が必死に命乞いをするので縄をほどき、川に帰してあげました。
後日、その河童がお礼にと、底を3回たたくまでいくらでも酒が出続けるという不思議な徳利を持ってきたのです。五郎兵衛さんは、その徳利で仕事もせず日夜お酒を飲み続けていましたが、ある日大切にしていた自分の馬がやせ細っているのに気付き、徳利の底を3回たたいてもう酒が出てこないようにしたとさ。
参照元:茅ヶ崎市|民話「河童徳利」伝承について
古くから伝わる日本の民話らしい、日本人の心に寄り添いながら考えさせられるエピソードです。
こちらの昔話は、あの「まんが日本昔話」でも放映されたり、かながわのむかしばなし50選にも選ばれた有名なもの。
敷地中央にある「ひょうたん池」には、件の河童がブロンズ像になっていて徳利を持っています。
園内で取材をしていたところ、自治会で公園化の動きについても詳しくご存知という男性に、お話を聞くことが出来ました。
「河童徳利」の伝説は、年輩の方では誰もが知っているそうですが、最近の若い人では知らない人も増えてきたとのこと。
実は、私も詳しくは知りませんでした。
公園のある場所は元々草原で、園内ある堰(せき)の跡は、小出川から田んぼなどに水を引くときに使われており昔は木の板で開閉していたんだとか。
また、新しく設置されたベンチは、災害時に炊き出し用かまどに転用出来るようになっていたりと機能性の高さも特徴。
いざという時、近隣住民の命を守る大切な役割を果たすそうです。
この公園の構想から着工までは、とても長い時間を要したそうで、地域住民の方々の想いがたくさんこもった公園であることが窺えました。
古くから伝わる民話がモチーフになっていながら、現代的な設備を兼ね備え地域住民の憩いの場となった『河童徳利ひろば』。
今と昔の人々の想いを感じ、ノスタルジックな気持ちに浸れる場所です。
これからの世代にも、不思議な「河童徳利」伝説が伝わっていくきっかけになるといいですね!
施設紹介
【河童徳利ひろば】
■住所:神奈川県茅ヶ崎市西久保1649番1
■駐車場:無
アクセス
JR香川駅より、香川駅前通り及び大山街道を通って徒歩10分程度