【大磯 観光スポットレポ】鴫立庵・湘南発祥之地大磯 - 湘南は大磯から始まった!?湘南について学ぶ
湘南発祥の歴史に触れられる場所
皆さんは”湘南”と聞いてどの辺りを思い浮かべますか?
湘南エリアにあまり詳しくない方からすると、知名度の高い江ノ島や茅ヶ崎などを思い浮かべる方、少なくないのではないでしょうか。
逆に、神奈川県に土地勘のある方なら、江ノ島や茅ヶ崎以外のこの地域も湘南だよ!という方、多いと思います。
"湘南"エリアはどこまでか?を深掘りすると、とても長くなってしまうので、こちらはまた改めて。
今回はその”湘南”の元祖とも言える、「湘南発祥の地」といわれている場所をご紹介いたします。
その場所というのが大磯の【鴫立庵(しぎたつあん)】です。
俳諧道場としても有名で、京都の落柿舎、滋賀の無名庵と並び、日本三大俳諧道場のひとつとも言われて名高い場所で、緑が生い茂った中に茅葺き屋根の建物が佇んでいます。
こちらの施設、元々はお寺にしようと考えて作られたため、石仏の五智如来像(釈迦・阿弥陀・大日・阿しゅく・宝生の五仏)が安置されている他、お堂なども見ることができます。
施設の庭見学を進めると、80個以上の石造物が安置されています。
その中の1つに「鴫立沢」と刻まれた石碑があり、こちらが冒頭でお話しした「湘南発祥の地」を紐解く鍵となっています。
平安時代末期に西行法師が大磯で詠んだと言われている歌「心なき身にもあはれは知られけり鴫立沢の秋の夕暮」にちなみ、江戸時代初期に小田原の崇雪(そうせつ)が鴫立沢と書かれた標石の反対の面に「著盡梨湘南清絶地」と刻んだ石を建てました。
「著盡梨湘南清絶地」とは、「清らかですがすがしく、このうえもない所、湘南とは何と素晴らしい所」という意味があり、中国湖南省にある洞庭湖のほとりの湘江の南側を湘南と良い、その地が大磯に似ていたことから、石碑に”湘南”と刻まれた経緯があります。
今我々が知っている"湘南"のルーツはここにあったんですね!
ちなみにですがこちらの石碑、屋外に設置されているものですから、雨風等の劣化対策として、実はレプリカが置かれています。
本物と瓜二つに作られていますので、こちらの石碑でも充分見る価値はありますが、本物を見てみたいという方は、神奈川県立大磯城山公園の中にある大磯町郷土資料館に安置されていますので、気になった方はぜひそちらにも足を運んでみてくださいね。
また、施設の駐輪場横には平成になって建てられてた「湘南発祥之地 大磯」の碑があります。
国道1号線に面したところに設置され、鴫立庵の中に入らずとも24時間見ることができます。
こちらにも”湘南”の由来が分かりやすく説明されています。
湘南発祥の地大磯の由来
崇雪という人が寛文四年(1664年)頃
西行法師の詠んだ名歌
「こころなき 身にもあはれは 知られけり
鴫立澤の 秋の夕暮」
を慕って草庵をここに結び標石をたて
東海道を往還する旅人に鴫立澤を示し
「著盡梨湘南清絶地」と景勝を讃えて
刻んだのがはじめです
中国湖南省にある洞庭湖のほとりの湘江の南側を
湘南といい、大磯がこの地に似ているところから
湘南と呼ばれるようになりました
平成八年四月参照元:湘南発祥之地 大磯
大磯の歴史のみならず、湘南の歴史に触れられる鴫立庵は、そよかぜに木々がなびく音と沢の音が入り混じり、日々の喧騒を忘れられる静かな空間となっています。
大磯散策の際はぜひ、湘南のルーツとなった鴫立庵にも立ち寄ってみてくださいね!
施設紹介
【鴫立庵(しぎたつあん)】
■住所:〒255-0003 神奈川県中郡大磯町大磯1289
■電話番号:0463-61-6926
■基本開庵時間:9:00〜16:00
■休庵日: 年末年始(12月29日~1月3日)
■駐車場:無し
■駐輪場:有り
アクセス
JR大磯駅より徒歩約7分