【大磯 観光スポットレポ】旧吉田茂邸 - 大磯の名誉町民!偉大なる吉田茂の邸宅を見学
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【大磯 観光スポットレポ】旧吉田茂邸 - 大磯の名誉町民!偉大なる吉田茂の邸宅を見学

2022/11/02

心休まる静かな庭園

内閣総理大臣を務めた「吉田茂」と大磯の関係をご存知でしょうか?
安倍晋三元総理の突然の訃報から国葬儀の話題になった際には、戦後、同じく国葬儀が執り行われた人物として「吉田茂」が度々話題になったのは記憶に新しいところですね。
今回はその「吉田茂」と、大磯にある「旧吉田茂邸」についてご紹介いたします。

まず、吉田茂 (よしだ しげる) とは?

生没年:明治11年9月22日 〜 昭和42年10月20日

実父は高知の自由民権家竹内綱、幼少時に貿易商吉田健三の養子となる。明治39(1906)年東京帝国大学卒。同年外務省入省。大正7(1918)年パリ講和会議全権随員、14年奉天総領事等を経て、昭和3(1928)年外務次官、11年特命全権大使・英国駐箚。戦時中和平工作を進め、20年4月憲兵隊に逮捕・拘置された。戦後は、東久邇内閣・幣原内閣で外相、また貴族院議員にも選出され、21年戦後第1回総選挙後首相に就任。公職追放となった鳩山一郎の代わりに日本自由党総裁となる。以後29年までの間、5度に亘って政権を担当した。

参照元:吉田茂 - 国立国会図書館

昭和40(1965)年には大磯町で初となる名誉町民になった「吉田茂」ですが、大磯とはどのようなご縁だったのでしょうか?

旧吉田茂邸は、明治17(1884)年に吉田茂の養父健三が購入した土地に建てられており、吉田茂が昭和20(1945)年頃から、その生涯を閉じる昭和42(1967)年まで過ごした邸宅です。

政界引退後も多くの政治家が邸宅を訪れ「大磯詣」と言われました。また、元西独首相アデナウアー氏や、当時の皇太子殿下(上皇陛下)と同妃殿下(上皇后陛下)などの国内外の要人が招かれました。吉田茂没後には、大平首相とカーター大統領の日米首脳会談が実施されるなど戦後政治の表舞台としても利用されました。

参照元:旧吉田茂邸とは - 大磯城山公園

旧吉田茂邸は、庭園を無料で開放しています。

入り口を入ってすぐにバラ園があります。
吉田茂は、日本バラの会会長を務めるほどバラの愛好家で、庭の一角にバラ園が造られたそうです。
バラの季節には、一面のバラが楽しめます。

奥へ進むと「内門(兜門)」があります。
この門は、サンフランシスコ講和条約締結を記念して建てられたものと言われています。

門をくぐると、日本庭園が広がっています。
池を中心に季節の草木が植えられ、四季が感じられる庭園は、吉田茂が晩年散策していた当時を再現しているそうです。

総理大臣という激務から開放された吉田茂が見ていたであろう庭の景色は、心休まる静かな場所となっています。

続いて、「七賢堂」です。

初代・内閣総理大臣の伊藤博文の大磯の邸宅「滄浪閣(そうろうかく)」に、明治維新で功績を収めた、岩倉具視、大久保利通、三条実美、木戸孝允の4名を祀った「四賢堂」が建てられました。
伊藤博文の死後、伊藤博文を加えた5名が祀られ「五賢堂」となった段階で、吉田茂邸へ移築されました。
その後、吉田茂が西園寺公望を合祀。吉田茂の死後、佐藤栄作によって吉田茂が合祀されたことで、現在の「七賢堂」になったと言われています。
平成31(2019)年3月には、国登録有形文化財に登録されています。

庭園の小高い坂を登ると、大磯の海を背景に、朗らかな表情をした吉田茂の銅像があります。

地元の有志メンバーによって建てられた銅像は、講和条約締結の地であるサンフランシスコの方角を向いています。

そして、吉田邸の主要となる建物ですが、平成21(2009)年3月22日に火災が発生し、母屋は全焼してしまいました。
その後募金活動が行われ、平成28(2016)年に再建工事が完了。平成29(2017)年より一般公開が行われています。

こちらの建物内のみ有料になり、中に入って見学することができます。

煌びやかな金の間・銀の間や、書斎等が見学できる他、吉田茂についてのプロフィールや逸話が纏められていますので、ぜひゆっくりと見学してみてはいかがでしょうか。

筆者が訪れた日は曇り空でしたが、天気の良い日は、邸宅2階の眺めの良いお部屋から、富士山を望む景色が広がります。ぜひ、豪華絢爛な邸宅とお庭や海・山などの景色も合わせて楽しんでください。

母家は全焼したものの、先ほどご紹介した「内門(兜門)」や「七賢堂」、そして「サンルーム」は焼失を免れています。
「サンルーム」は、耐震の都合上中に入ることはできないものの、当時の姿のまま残っています。吉田茂も同じ建物を見ていたのかと思うと感慨深いですね。

吉田茂は、大磯の邸宅で息を引き取りました。
国葬儀が行われた際には、大磯の吉田邸から葬儀会場に向けて出発したと言われ、当時、国道1号線沿いの近隣住民など約5,000人が葬列を見送るために立ち並んだと言われています。
それだけ大磯町民から愛され、町の誇りであったということですね。

そんな吉田茂の偉大さや、彼が愛した庭園や邸宅が見学できる「旧吉田茂邸」は、必見の価値ありです。大磯観光の際には、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

施設紹介

【旧吉田茂邸】
■住所:〒255-0005 神奈川県中郡大磯町西小磯418 (県立大磯城山公園内)
■電話番号:0463-61-4777
■開館時間:9:00〜16:30 (入館は16:00まで)
■休館日:
・月曜日 (祝日または休日に当たる場合は開館し、翌日休館)
・毎月1日
・年末年始 (12/29〜1/4)
■駐車場:9:00〜17:00
※普通車:1時間300円 以降30分毎150円(平日は無料)

アクセス

大磯駅より徒歩30分 (2km)
「大磯駅」より神奈中バス「二宮駅」行きに乗車し、「城山公園前」下車徒歩3分

関連リンク

大磯町郷土資料館・旧吉田茂邸サイト
大磯城山公園サイト

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