【大磯 グルメレポ】新杵 - 吉田茂や島崎藤村も愛した老舗和菓子店
「西行饅頭」と「虎子饅頭」がオススメ
大磯は多くの史跡があり、財界人・文化人の邸宅などが数多く残る、歴史と趣のある静かな町です。
大磯の歴史にあやかったお菓子を展開し、大磯ゆかりの人たちからも愛された老舗和菓子店をご紹介いたします。
そのお店は国道1号線沿いにあり、大磯駅から歩いて10分ほどの場所にある「新杵」です。
お店の前が駐車スペースになっていますので、車の方も気軽に訪れられますね。
創業は明治24(1891)年。130年以上の歴史がある、趣ある木造の建物です。
看板に金の文字で大きく書かれた「新杵」が目印です。
お店の看板メニューは「西行饅頭」と「虎子饅頭」です。
「西行饅頭」は神奈川県指定銘菓にも選ばれているんですよ。
お土産用の箱入りタイプからばら売りまで、用途に合わせて購入できます。
他にも、羊羹や大福、せんべい等の商品が所狭しと並べられています。
1893年のシカゴ万国博覧会に、お菓子を出品したこともあるそうです。
重厚な看板や、古い建物に歴史を感じながら、買い物をしてきました。
まずは、「西行饅頭」です。
薄皮の饅頭の中にこしあんが詰まったシンプルな作りの和菓子です。
「心なき身にもあはれは知られけり 鴫立沢の秋の夕暮」という歌を西行法師が大磯で詠んだことにちなんで、お菓子に「西行」の名前に付けられました。
西行の歌に由来する観光スポット「鴫立庵」は「新杵」から目と鼻の先にありますよ。
続いて、「虎子饅頭」です。
白いふわふわの生地に包まれ、中は西行饅頭と同じこしあんが入っています。
虎がこちらを振り返っているようにも見える焼き印は、「曽我物語」に出てくる虎子石にちなんでいるそうです。
大磯の名誉町民、吉田茂もこのお饅頭を好み、大磯土産に利用していたそうですよ。
吉田茂が愛した味が今も食べられるのは感慨深いですね。
秋は栗の季節でもあるので、栗蒸し羊羹もいただきました。
優しい甘さの羊羹と、たっぷりの栗がゴロゴロ乗って、美味しいお茶請けでした。
最後に余談になりますが、以前「旧島崎藤村邸」の案内の方からうかがったお話です。
文豪・島崎藤村は大磯を気に入り、大磯に買った家が「旧島崎藤村邸」ですが、その家の元々の持ち主(売主)は「新杵」の当時の店主だったという逸話を教えてもらいました。
そんなご縁もあってなのか、島崎藤村も「西行饅頭」を好んでいたそうです。
大磯の観光スポット、ゆかりの人物を繋ぐ存在となっている和菓子店「新杵」は大磯に来たらぜひ訪れて欲しいお店の1つです。
大磯観光と共に「西行饅頭」や「虎子饅頭」を食べてみてはいかがでしょうか。
店舗紹介
【新杵 (しんきね) 】
■住所:〒255-0003 神奈川県中郡大磯町大磯1107
■電話番号:0463-61-0461
■営業時間:8:30〜16:00
■定休日:火・水曜日
■駐車場:有り ※お店の前に2台駐車スペース有り
アクセス
大磯駅より徒歩6分