2024年6月23日投開票 湯河原町長選挙 立候補者インタビュー
湘南人では、2024年6月23日(日)投開票の湯河原町長選挙について、それぞれの立候補者にインタビューを実施し、各候補者の進めたい主な政策、湯河原町の課題への取り組みなど、詳細にお答えいただきました。
「地元密着メディア」湘南人は、「湯河原町の一人でも多くの有権者の方が、選挙に足を運んで頂けるようにしたい」という想いから、今回のインタビューを行いました。ぜひ、お読みいただいて、投票の際の参考としていただければ幸いです。
※掲載順序は届出順、敬称略
※インタビュー内容については、文末表現の統一以外はそのまま掲載しています。
※期限までに回答があった方のみ、インタビューを掲載しています。
※インタビュー実施期間
6月11日(火)〜6月16日(日)
目次
- 1 湯河原町長選挙(定員1) 立候補者詳細
- 2 インタビュー
- 3 告示日
- 4 投票所入場整理券
- 5 投票日
- 6 投票できる方
- 7 期日前投票所・日時
- 8 不在者投票について
- 9 定員・立候補者数
- 10 湯河原町議会だより
- 11 まとめ
湯河原町長選挙(定員1) 立候補者詳細
土屋 由希子
- 生年月日:1982年生
- 年齢:満41歳
- 党派:無所属
- 主な肩書き:元湯河原町議会議員
- 新旧:新人
- HP:https://tsuchiya-yukiko.com/
内藤 よしふみ
- 生年月日:1959年生
- 年齢:満64歳
- 党派:無所属
- 主な肩書き:元町職員
- 新旧:新人
- Instagram:https://www.instagram.com/yoshi_238239/
インタビュー
Q1:今回立候補した理由をお聞かせください。
土屋氏
議員の議席をいただいた直後だったので悩みに悩み考え抜いた末、行政のトップとして、町民の皆様と共にあゆむ湯河原町をつくっていきたいという気持ちの元、立候補いたしました。
私は昨年の町長選挙で落選後、湯河原町を議会から変えていこうと今年3月町議選で多くの支持をいただき当選させていただきました。議会活動が始まろうとしていた時、冨田幸宏町長の訃報が入り、驚きと悲しみとともに、2期目の議員として議論ができると思っていた気持ちにぽっかりと穴が開いたように感じました。
自分の議員としての存在意義、今後の町の指針、すべてが白紙となってしまった虚無感と向き合い、思索を巡らし、自分がやるべきことは何かと自問自答しました。熟慮の末、町民の声をじっくりと聞き、時間を掛けてみなさんと合意形成をはかりたいという思いで、町長選に再び立候補させていただきました。
内藤氏
令和6年4月24日、人口戦略会議で湯河原町が消滅可能都市に挙げられたことに非常に驚きました。ここ数年、少しではありますが、社会増減では、転出する方より転入する方の人数が多い転入超過の状態が続いていました。これは、今までの地方創生の成果の兆しが見えてきたものと感じていたからです。
そのような状況の中、5月5日、前冨田幸宏町長が急に逝去され、町民全体が深い悲しみに陥りました。その時は私自身、湯河原町役場に勤務しており、役所内での動揺は計り知れないものがございました。
しかし、町政運営を止めることはできません。また、復活の兆しが見えてきた地方創生の火を絶やすことはできません。そこで、長く冨田町長と共にまちづくりを進めてきた私が次の町政を担うことで、混乱なく町民や町職員の不安を取り除くことができ、行政マンとしての長年の経験から、町民が必要としているタイムリーな新たな施策を展開できると判断し、立候補を決断いたしました。
Q2:湯河原町の今直面する主な課題、それに対するご自身の考え、具体的な政策を教えてください。
土屋氏
人口減少、少子高齢化、観光業の衰退、産業の存続、インフラ整備など湯河原町には多くの課題があります。そして、「消滅可能性自治体」(人口戦略会議より)となっています。
これまでの町政の流れを生かしつつ、今こそ、党派や派閥、立場を超えて、一丸となって湯河原町の未来に向き合う時ではないかと考えています。町民のアイデアを募集して実行する様な提案型制度をつくり、町の人々が支え合える様な、持続可能な町を目指します。
少子高齢化対策として、子育て・教育に力を入れ、高齢者がいきいき暮らせる町にして参ります。安心して産める町にするために助産院開設を支援し、中学校給食を早期実現し、魅力ある学校づくりを進めます。また高齢者の孤食をなくし、楽しくおいしいご飯が食べられる「みんなの食堂」構想や、穏やかに最期を過ごせる町にするため、終活の支援を進めて参ります。
美しい自然と資源あふれる湯河原町を最大限に活かすまちづくりを進め、観光を振興していきます。
内藤氏
自然増減においては、出生数に比べてお亡くなりになる方の数が圧倒的に多く、人口減少には歯止めがかかっていないのが現状です。
しかし、移住促進として移住者向けの特別な施策を行うのではなく、現に湯河原町で生活している町民の方々が「住みやすいまち」と感じる町にすることが、移住につながると考えています。
そこで、子ども、現役世代、高齢者と区切るのではなく、世代を超えた地域でのつながりを支えあう関係を大切にし、すべての町民が心配なく生活していける「すべての世代が輝く、共生のまち」をまちづくりの目標に掲げ、そのまちづくりの目標を実現するための5つの柱で具体的な施策を示します。
〇みんなが愛せるまちへ
- 温泉場のにぎわいを創出するため、千歳川沿いの遊歩道を活用し露店等の出店を促進します。
- 観光面で集客が落ちる9月をターゲットに、その時期に見頃を迎えるコキア(ほうき草)を活用した「コキアの郷」を着実に整備します。
- 現行農作物の販路の拡大だけでなく、少量多品種への販売対応を進め、農家の生活基盤を安定させます。農業をやりたいと思える「かせげる農業」を目指します。
- 現在廃止の危機にある民間事業者によるバス路線(鍛冶屋線、吉浜線)を公営のコミュニティバスに移行し、町民の足を保障する安定的な公共交通の確保を最優先に実施します。また、曜日や時間帯によりタクシーが大きく不足しています。その課題解決のため、「日本版ライドシェア」の導入を早期に実現させます。
〇負担なく子育てができるまちへ
- 地方自治体として子ども達の健康と福祉を支えることが責務と考え、小学校給食の段階的な無償化を実現します。
- 子どもたちの健康と家庭の負担を考慮し、湯河原町で安心して子育てができる環境を整えるために、対象年齢を近隣自治体同様に18歳まで拡充していきます。
- 中学生を持つご家庭にとって長年の懸案であった中学校給食の導入について、親子方式の導入が決定しましたが、建設の調整に時間がかかっています。これまでの行政経験を発揮し、あらゆる側面からの知識を集め、早期にかつ着実に実施していきます。
〇高齢者が元気に暮らせるまちへ
- 中央・宮下地区にある2か所の多世代の居場所への高齢者の参加を促進し、子どもや若者と触れ合う機会を増やことにより、高齢者の方々にとって、生きがいや社会参加の機会が増え、健康維持や精神的な充実を図ります。
- シニアカーの貸出し、補聴器購入費の補助など、国の手が届かない多様な生活支援について、町独自の補助制度の拡充を順次検討していきます。
- 今までの高齢者福祉施策に加え、「住民が住民を支える高齢者福祉」を推進していきます。
〇安全・安心に暮らせるまちへ
- 情報やデータに基づく防災対策の強化を行います。
- コミュニティの助け合いを推進します。
- 空き家対策を拡充します。
〇スリムで安定した行政運営へ
- 行政のDXを推進します。
- 町民に負担をかけずに恒久的な財源を確保するため、「宿泊税」を導入し、観光財源を確保します。そして、現行の観光財源の一部は、子育て、高齢者福祉、安全・安心などの政策実現のための財源とします。
- 老朽化した役場庁舎について、安全安心で町民の皆様が使いやすく、機能性の高い庁舎となるよう、多くの方のご意見を聞きながら、役場庁舎の建て替えの道筋を具体化します。
Q3:これまでの町政に関して評価をお聞かせください。
土屋氏
観光立町・湯河原として4期16年と1年、湯河原町を支え、リーダーシップを発揮されてきた故・冨田幸宏町長。
町政の安定に努め、町民の皆様との対話を大切にし、ご意見にじっくりと耳を傾けることの重要性を学ばせていただきました。私も、その姿勢を継承して参ります。
しかし一方で、長年の町政の中で、固定化してしまった財源の使い方も散見されたと感じます。無駄を省き、町全体の利益になる様な効率的な財源の活用方法を検討して参ります。
内藤氏
前冨田町長の町政に関する評価は、17年の長期による積み上げがあり、簡単に評価できるものではありませんが、私自身がその片腕の1人となって政策(町政)を担ってきた立ち位置からの評価になります。
公共施設に関しては、多くの施設が新耐震の基準(昭和56年)前に建設されたものでしたが、児童・生徒の安全を優先し、保育園、小学校の耐震化を行ってきました。その次に、多くの町民が利用する9つある地域会館の耐震化に着手し、残りは3つの会館となりました。
また、宮上地区にあった旧厚生年金病院が撤退する危機がありましたが、町民の理解を得て、旧湯河原中学校跡地へ移転することで合意でき、現在、J-CHO湯河原病院として町内に大型の医療施設を存続させることができました。
地域経済では、地方創生の国庫交付金を獲得し観光産業を支えたほか、町内に「仕事を創る」「人の流れを創る」という目標を設け、新規開業やイベントによる交流人口を増加させることを推進してきました。中でも、駅近に大型お菓子工場、温泉場に大型宿泊施設の誘致に成功し、地域経済へもたらした効果は大きなものになっています。
また、温泉場のシンボルとなっている万葉公園を再整備したことにより、その周辺では、新たな民間資本が投入され、地域の活性化に大きく貢献できています。
最後に、新型コロナウィルス感染症から町民を守る、経済を守ることに尽力され、日々変化する経験したことのない事象に対する判断を的確に行ってきました。 このように、多くの施策で実績をあげたことは、おおいに評価できます。
Q4:これまで取り組んできたことを具体的に教えてください。その経験をどのように生かしますか?
土屋氏(町議会議員として力を入れて取り組んできたこと)
湯河原町議会議員として、町民に寄り添う町政実現のために尽力してきました。
長年、議会で配布されていた税金滞納者の個人情報リスト問題を追及して改善に導き、3年で8,200万円もの町役場職員の時間外勤務手当未払い問題を調査し、解決のための予算付けに導きました。
「安心して産める町」の実現へ、湯河原・真鶴両町の住民有志で進めてきた助産院誘致プロジェクトを支援し開院に向けて進行中です。
これまでの活動を継続し、前例踏襲にとらわれない町政を目指し、より積極的に政策に取り組んで参りたいと思います。
内藤氏(町職員として力を入れて取り組んできたこと)
私の42年間の行政マンとしての取り組みの一部を紹介します。
- 県内全14町村の行政コンピューターシステムの統合を中心になって行い、ランニング費及び法改正等によるカスタマイズ費を大幅な削減に寄与しました。
- 地域や観光の政策に携わり、多くの国の交付金を獲得し、その財源で湯河原の魅力を全国に発信するとともに、戦略としていたテレビ放映は確実に増加させることができ、町の魅力発信だけでなく、町民が町に誇りと愛着をもてることを醸成してきました。
- 交通不便地域の高齢者等の交通網として、新たな公共交通として、乗り合いタクシー「ゆたぽん号」の導入の企画・立案を行ってきました。
- 子ども第3の居場所として、町内2か所にある「多世代の居場所」づくりに尽力し、子どもたちと地域の大人たちが触れ合う場を整備することができました。 湯河原町のことをよく知り、町政をよく知っていることから、直面している課題の解決や中長期的な展望を見出すのに今までの経験を生かすことができます。
Q5:湯河原町の魅力、アピールポイントを教えてください。
土屋氏
湯河原町で生まれ育ち、大学進学を期に東京に20年間暮らしたことで湯河原町の良さがとてもよくわかります。人の温かさ、やさしさ、小さい町だからこそ目に見え感じられる距離感があります。 高齢者が元気で居続けるための癒しと自然の町の空気感があり、今ある湯河原町の自然を守りホッとできる場所としての湯河原を守っていきたい。
湯河原町には温泉があり、山があり、住宅地の中を流れる川に飛ぶ蛍は自慢です。観光地としての旅館街である温泉場や宮上に加え、風光明媚な福浦の街並み、1年を通して楽しめる吉浜海岸、子どもにも登れる丁度良い高さの幕山公園はとても魅力的。町に張り巡らされたハイキングコースは季節を感じられる他の町にはない資源です。素晴らしい町の資源を活かして観光を振興し、地域を再生してまいります。
内藤氏
湯河原町の魅力は、何といってもまち全体でかもし出す「癒し」にあります。山、川、海と調和がとれた自然環境に温泉資源を加え、この場所にいるだけで、都会の喧騒を忘れさせてくれます。そして、温泉の温かさ以上に、人々の温かさに自然に触れることができ、第二の故郷のように感じることができます。
「足柄の土肥の河内に出ずる湯の 世にもたよらに子ろが言はなくに」
これは、万葉集で詠まれた湯河原温泉の歌で、それから今まで1200年間、人々を癒し続けてきました。 また、大きな災害に見まわれたことがなく、子どもから高齢者まで、のんびりと安心して暮らしていける町です。
Q6:もし町長になったら、湯河原町をどんな街にしていきたいですか?
土屋氏
何よりも今の湯河原町の素晴らしさを守っていく事、そして、その魅力をもっと引き出していく事に注力して参ります。
海と山に囲まれた、癒しの町、自然に産まれて自然に最期を迎えられる町に。
人と人との距離が近いからこそ、支え合って生きる事の素晴らしさが実感できます。みんなで手を取り合い、力を合わせて、町の活力を取り戻します。
内藤氏
私は、町民のお一人・お一人が、ご家族を大切にし、隣組を大切にし、地域を大切にし、多くのコミュニティをつくり、世代を超えて参画し、まちを創っていただくことだと思います。
つまり、町民の皆さんのお一人・お一人が、「まちづくり」だと思います。
行政は、町民の皆さんの「まちづくり」の障壁となっていることを施策や事業として実施し、時にはその壁を取り除いたり、時には壁を低くすることが役割であり、併せて、それらの施策や事業に必要となる財源を確保することも行政の役割である考えます。
そこで、まちづくりの主役である町民、「すべての世代が輝く、共生のまち」を目指し、湯河原町が持続可能な町となるよう町政を進めていきたいです。
告示日
2024年6月18日(火)
告示日とは、自治体の選挙管理委員会が選挙を行う旨を告示する日です。公営ポスター掲示板に選挙ポスターが掲示されるのは告示日から投票日の前日までです。
投票所入場整理券
投票所入場券は、圧着式(3枚張り合わせたハガキ)になります。世帯ごとに1枚のハガキに4人まで記載してあります。有権者が5人以上の世帯には、2枚以上のハガキをお送りします。
ハガキには、投票所の地図が記載されていますので選挙当日は、投票所入場券に記載されている投票所に、1人ずつ切り離してお持ちください。投票所入場券は、6月12日頃から各家庭に郵送されます。
投票所入場券が届かなかったり無くした場合も、選挙人名簿に登録されている人は、投票ができます。マイナンバーカードや免許証等本人確認できるものを持参して投票所係員に申し出てください。
投票日
2024年6月23日(日)
受付時間
午前7時00分~午後8時00分
投票所一覧
投票所一覧はこちら。
持ち物
- 投票所入場券
- 本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証等)
投票の流れ
- 投票所に到着したら、受付で入場整理券をお渡しください。(この際、本人確認書類を求められる場合があります)
- 受付で投票用紙をもらったら、パーティションで仕切られた投票記載所に向かいます。
- 投票記載所で投票したい候補者の名前を投票用紙に書きます。
- 投票用紙を投票箱に入れたら、投票完了です。
投票できる方
- 年齢が満18歳以上(2006年6月24日以前に生まれた人)
- 2024年3月17日までに住民登録をし、引き続き3か月以上湯河原町に住所を有する人
期日前投票所・日時
設置期間
2024年6月19日(水)~6月22日(土)
受付時間
午前8時30分から午後8時00分
場所
〒259-0392神奈川県足柄下郡湯河原町中央2-2-1
不在者投票について
期間
2024年6月19日(水)~6月22日(土)
期日前投票ができる方
- 仕事、学業、その他の用務に従事
- 用事、レジャー等のため、投票所のある区域の外に外出、旅行、滞在
- 病気、負傷、出産、老衰、身体障害等のため歩行が困難
- 住所移転のため、他の市区町村に居住
- 天災または悪天候により投票所に到達することが困難
※請求書(兼宣誓書)の町選挙管理委員会への提出及び投票用紙のやりとりには、FaxやEメールは使用できず、郵便でのやりとりとなりますので、早めに手続きをするようにしてください。
定員・立候補者数
- 定員:町長 1名
- 立候補者数:3名
※候補者情報は、随時更新いたします。
湯河原町議会だより
まとめ
今回の湯河原町長選挙は、2024年5月の 冨田幸宏 前町長の逝去に伴う選挙です。
候補者は、元町議会議員で前回町長選にも出馬した 土屋由希子氏、元湯河原町職員の内藤喜文氏、新人の2名での選挙戦となります。
ぜひ、インタビュー内容をご参考のうえ、湯河原町の有権者の方は投票に足を運んでいただければと思います。