【大磯 観光スポットレポ】延台寺 - 「曽我物語 」虎御前ゆかりの地
縁結び•子授け祈願に
以前ご紹介した大磯の和菓子店「新杵」さんの人気商品でもある「虎子饅頭」の由来となったお寺に行ってきたのでご紹介します。
大磯駅から歩いて5分ほどの場所にある「延台寺」。
国道1号線から路地に入ると、静かなお寺へと続きます。
歌舞伎の演目としても有名な、日本3大仇討ちの物語の1つと言われている「曽我物語 」。
「曽我物語」のヒーロー曽我兄弟の兄・十郎祐成と恋仲だった舞の名手・虎女(虎御前)が開いたお寺が延台寺です。
1175年(安元元年)、40才を過ぎても子宝に恵まれなかった大磯の山下長者は信仰する虎池弁財天に願をかけた。目が覚めると枕元に小さな石があり、仏間に安置して祈願していると、虎の日、虎の刻に珠のような女の子を授かった。長者は弁天様と誕生日にちなんで「虎」と名付け、この石を虎女の守り本尊として敷地内の小さな祠に安置したところ、虎女の成長とともに石も大きくなったという。成長した虎女は舞の名手として知られるようになり、屋敷を訪れる鎌倉幕府の要人たちにも披露した。その中に曾我兄弟が親の敵と狙う工藤祐経がいた。これを知った曾我兄弟が山下長者の屋敷に来るようになったが、いつしか兄十郎は虎女と恋仲になってしまった。工藤はある夜討手を放ったが、祠に祀ってあった石が身代わりとなり、兄弟は大難を免れた。後に兄弟は富士の裾野で工藤を打ち果たしたが、二人とも命を落としてしまった。虎女は19才で尼となり、庵を結んで終生兄弟の菩提を弔った。現在の延台寺である。
出典:延台寺内看板 「虎御石」(神奈川県大磯町) - 2022年10月29日(土) 撮影
お寺は江戸から明治にかけて3度火事で消失。
現在の本堂や書院は昭和57(1982)年に再建されたそうです。
虎女供養塔、子授け祈願の石佛、虎御前祈願の龍神等の碑があり、古い歴史を感じます。
子授け祈願の石佛に子宝を願ってお参りする人、虎女が十郎との恋の成就を祈願した龍神様に縁結びを願う人等、今でも多くの女性が訪れるそうです。
十郎の身代わり石となった「虎御石」は、法虎庵 曽我堂に奉安されています。
周囲86cm、重さ130kgほどの大きさの「虎御石」。
「虎御石」は例年、5月の第4日曜日に行われる「虎御石まつり」でご開帳されます。
コロナ禍の影響で、2020年〜22年の3年間は中止せざるを得ない状況に追い込まれてしまいました。
来年こそはお祭りの開催、そしてご開帳されることを願うばかりです。
来年「虎御石まつり」が開催された暁には、湘南人でもご紹介していきたいと思います。
大磯散策の際、縁結び•子授け祈願として立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
施設紹介
【延台寺】
■住所:〒255-0003 神奈川県中郡大磯町大磯1054
■電話番号:0463-61-0742
関連リンク
大磯駅より徒歩5分