【藤沢 イベントレポ】藤沢今昔・まちなかアートめぐり2022 - 歴史の息吹と、芸術の探究を体感する①
歴史を感じさせる町家や蔵・庭園が会場です
2022年11月12、13、19、20、26、27日、12月3、4日 (土、日) の期間、藤沢本町の関次商店 パンの蔵 風土・旧稲元屋呉服店・旧桔梗屋・有田家の各会場を舞台に【藤沢今昔・まちなかアートめぐり2022】という展覧会が開催されています。
この展覧会は今年2022年で13回目の開催で、国登録有形文化財の町家や蔵・庭園を会場としてその特性を活かした現在進行形アートの探求と、歴史文化遺産の次世代継承の推進を目的として実施されています。
会場があるエリアは、江戸時代には旧東海道の藤沢宿として栄えていました。
江戸日本橋から数えて6番目の宿場です。
後北条氏が収めていた戦国期や、それ以前から交通上の要地だったそうです。
地域における流通の中心地であった旧藤沢宿地区は、明治時代になって宿駅制度が廃止されたのちも、地域経済の中心地として賑わいを保っていました。
今回は全2記事でこの展覧会をご紹介します。
『関次商店 パンの蔵 風土』です。
関次商店は明治6年に創業の米穀肥料商です。
現在は穀物蔵、肥料蔵、文書蔵の三つが残ります。
「パンの蔵 風土」というパン屋さんは、明治19年築の穀物蔵をリノベーションして営業しています。
こちらでは参加作家全員の小作品が展示されていました。
こちらは『旧稲元屋呉服店』です。
稲元屋は江戸時代末期創業の呉服屋さんで、明治期には明治天皇行幸の際の行在所となりました。
現在は母屋は焼失してしまいましたが、内蔵と外蔵の二つの蔵と邸園跡、行幸碑が残っています。
ここでは伊東直昭と福家由美子の2名が作品を展示しています。
伊東直昭は内蔵で展示していました。
内蔵の内部は入れないため、縁側に作品がありました。
お客さんは外から鑑賞する形式です。
『ケモノタテモノ』というシリーズの作品たちで、動物と建物が一体化した奇妙な造形をしています。
作品たちは元からそこにいたかのように空間全体に溶け込んでいました。
福家由美子は外蔵の一階と二階で展示をしていました。
上の写真は一階で、下の写真が二階です。
静寂のなか、空間に漂う気を物体化したかのような作品が佇んでいました。
ゆっくりと時間の流れに身を任せるかのような作品でした。
こちらは『有田家』です。
有田家は農業を営むとともにすぐ近くにある遊行寺の職方(建築整備や補修等)をつとめてきた旧家です。
現在は昭和初期建設の母屋と大正12年築の家財用土蔵、味噌蔵が残っています。
ここでは坪井美保とASADAの2名の作家が作品を展示しています。
家財用土蔵には坪井美保の作品が展示されていました。
観客自らライトで作品に光を当てながら鑑賞します。
光で揺れ動くかのようなその作品は、土蔵そのものの呼吸がダイレクトに伝わってきました。
私が見た時はお昼時でしたが、時間の推移によって見え方も変わってきそうですね。
ASADAは母屋に作品を展示していました。
龍の頭をもつまるで人間のような形をした物体が、モニターに写されている映像作品を見ているかのような形で展示されていました。
違和感を感じる光景ですが、その違和感がむしろクセになりそうです。
頭の龍のインパクトがとても強く、その造形の格好良さを感じました。
続編の記事もぜひご覧ください。
【藤沢 イベントレポ】藤沢今昔・まちなかアートめぐり2022 - 歴史の息吹と、芸術の探究を体感する②
イベント詳細
【藤沢今昔・まちなかアートめぐり2022(旧桔梗屋)】
■開催日:2022年11月12、13、19、20、26、27日、12月3、4日 (土、日)
■開場時間:10時30分~16時 (パンの蔵・風土は日月火曜を除く9~15時)
■開催場所:関次商店 パンの蔵 風土・旧稲元屋呉服店・旧桔梗屋(〒251-0052 神奈川県藤沢市藤沢1丁目1−9)・有田家
■参加作家:伊東直昭、オノ・ヨシヒロ、加藤裕士、佐々木薫、坪井美保、石黒和夫、ASADA、福家由美子
■入場料:無料
※駐車場なし
アクセス
旧桔梗屋:小田急電鉄江ノ島線藤沢本町駅から徒歩約11分
JR藤沢駅から徒歩約13分