【鎌倉 イベントレポ/9月末まで】葉祥明美術館 - 『ジェイクと自然を考える SDGs』で学びと癒しを
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【鎌倉 イベントレポ/9月末まで】葉祥明美術館 - 『ジェイクと自然を考える SDGs』で学びと癒しを

2022/09/21

北鎌倉駅からほど近い「葉祥明美術館」では、9/30(金)まで『ジェイクと自然を考える SDGs』という企画展が開催されています。
企画展は、SDGsの先駆けともいえる環境保護の大切さをうたった葉祥明さんの絵本3冊を中心に構成され、子どもにとって気軽に学べる場であることはもちろんのこと、大人にとってもハッとする気づきを得ることができる空間です。

もちろん葉祥明さんの真骨頂である、パステルカラーの温かみにあふれたアートに囲まれた空間ですので、癒し効果もたっぷり味わうことができます。
ぜひ肩ひじを張らずに、気軽に足を運んでみることをおすすめします。

パステルカラーの風景画がすてきな絵本作家

葉祥明さんは、1946年生まれの絵本作家・画家・詩人で、繊細で柔らかなタッチのイラストと、穏やかで優しい言葉選びが人気を博しています。
なかでも、白い犬「ジェイク」が登場する絵本のシリーズが有名で、かつてふみの日の記念切手のデザインに採用されたこともあるそうです。
私も美術館を訪れる前は、「お名前は聞いたことがあるかもしれない」くらいのレベルでしたが、実際の作品を目にすると、幼いころに家族と読んだ絵本の記憶がよみがえってきました。

まるで隠れ家のような美術館

北鎌倉駅から歩いて10分弱、アジサイで有名な明月院のそばにたたずむ、緑に囲まれたおしゃれな洋館が、葉祥明美術館です。
入口までのスペースがお庭のようになっていて、かつてたくさんの猫を飼ってらっしゃったというエピソードを持つ葉祥明さんらしい、猫をモチーフにしたオブジェや、鎌倉の街らしく、竹が顔をのぞかせていて、落ち着いた雰囲気の中にも、アットホームさがにじみ出ていました。

美術館は葉祥明さんが55歳だった1991年にオープンし、30年以上たった今でも、当時と変わらない姿で鑑賞客を出迎えているとのことです。

SDGsの先駆けとなった絵本たちを鑑賞

洋館を入ると、お土産コーナー兼受付があります。
葉祥明さんのアート作品やポストカード、そしてサイン入りの絵本も。彼の作品に早速囲まれて、早くもゆったりとした空気を感じます。
入場料を支払うと、スタッフの方がお土産コーナーの奥のカーテンをさっと開けてくださり、ここから鑑賞がスタートします。

企画展の部屋に一歩足を踏み入れると、中心にあるレトロなソファーとピアノが目に入り、壁を見渡すと、葉祥明さんの作品がぐるりと展示されています。壁一面ごとに異なる3つの絵本の原画が、ジェイクの象徴的なセリフとともに紹介されていました。

ぼくはジェイク!
ぼくが海、川、森に聞いたこと
そこで見たこと、知ったこと、ぜんぶ
みんなに伝えたい!

3冊の絵本は、「森が海をつくる」という作品は森林伐採を、「空気さん ありがとう」という作品は大気汚染やオゾン層破壊を、そして「ジェイクと海のなかまたち」は海洋汚染を題材にした作品です。いずれも1990年代後半に発売された作品です。

ここ2,3年、SDGsという言葉を耳にする機会が一気に増えました。環境に配慮した生活を心がけている方も多くなってきている方と思います。
一方、葉祥明さんは、そんな環境保護の重要性を20年以上前から作品を通して訴え続けてきました。

森林伐採やオゾン層破壊、海洋汚染などをテーマに、白い犬のキャラクタージェイクが、冒険の中で自然の大切さを学んでいくストーリーは、葉祥明さんのシンプルなパステルアートとも相まって、ストレートに心に響きます。
今の時代だからこそ、これらの作品を通して、原点に立ち返ってみることが大切だと強く感じました。

ウクライナへ祈りを

隣の部屋から建物の2階にかけての常設展には、最新作の絵画も飾られていました。

特に私が心を揺さぶられたのは、1階と2階の部屋をつなぐ階段脇にひっそりと並んでいた、ウクライナ戦争を題材にした作品です。
『故郷の大地よ、泣かないで』というタイトルで、2022年7月にイチゴ新聞に掲載されたものということです。

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