【鎌倉 イベントレポ】〈前編〉創作和菓子 空羽kuu×日本画 天内純子 二人展『うつろい』 - 北鎌倉 浄智寺谷戸の新緑をくぐって、茶室 宝庵で味わう和の世界
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【鎌倉 イベントレポ】〈前編〉創作和菓子 空羽kuu×日本画 天内純子 二人展『うつろい』 - 北鎌倉 浄智寺谷戸の新緑をくぐって、茶室 宝庵で味わう和の世界

2023/05/22

和菓子と日本画、北鎌倉の茶室にて二人展開催

北鎌倉にある、臨済宗円覚寺派浄智寺の道を奥へと歩いていくと、たからの庭の敷地にある茶室 宝庵がひっそりと佇んでいます。

この茶室 宝庵を拠点に活動する、創作和菓子・空羽kuuさん、そして日本画家・天内純子さんが、二人のコラボレーション作品をまとめたフォトブックの発行を記念し、5月2日から4日まで3日間の二人展を開催しました。

 

茶室 宝庵への道は、緑の木々に囲まれ、清々しく気持ちの良い通りです。

宝庵は、文人ジャーナリスト関口泰氏が1934年に建築し、設計は、戦前日本におけるモダニズム建築運動リーダーの山口文象氏による本格的茶室です。

「宝庵」の「宝」は、浄智寺の山号「金宝山-きんぽうざん-」から一字をいただきました。
​浄智寺山門の扁額にある禅語『寳所在近』にもちなんでいます。

​ロゴマークには、屋根、建物、そこにある丸いたからもの。のイメージを込めました。

参照元:北鎌倉 宝庵

 

門をくぐると、日陰で涼しげにシャガ(胡蝶花)が咲いていました。

 

正面に見えるのが、数寄屋づくりの茶室、常安軒です。
八畳間と四畳間があり、茶室やリトリートスポットとして人気です。

 

二人展『うつろい』は、和菓子と日本画の作品をコラボレーションして展示するという企画でした。

まず出迎えてくれた作品はこちら、桜色の和菓子「やえ」。

その上に配置された日本画は「あまおと」。

何年も前からそこにあったかのように、作品が茶室に溶け込んでいました。

 

八畳間に入った正面に展示されていたのは、和菓子「胡蝶花」、その上に日本画作品「風と」。

和菓子「胡蝶花」は、門の近くで見かけたシャガ(胡蝶花)がモチーフです。

作品を近くで見ると、その繊細な手仕事に驚かされます。

 

床の間には、和菓子「スイカズラ」、日本画は「翠雨」。

柱の花器に生けられたスイカズラから、甘い花の香りがしていました。

スイカズラは和名を忍冬(にんとう)と言い、ハニーサックルとも呼ばれていますね。

日本画からも甘い匂いがしてきそうな、生命感溢れる作品です。

和菓子「スイカズラ」は、食べてしまうのが勿体無いくらい繊細な出来栄えです。

 

今回の二人展『うつろい』 は、完全予約制でした。

フォトブックと二人のコラボ作品がセットになった入場券には、フォトブック、天内純子オリジナルハンカチ、空羽上生菓子2個がセットになっています。

セットになっていた和菓子は、展示されていた胡蝶花スイカズラです。

家で堪能し、空羽さんの和菓子ファンになりました!
詳細は後編でご紹介しますね。

月に一度、宝庵茶室で空羽さんの上生菓子付きの見学会がありますが、すぐに予約でいっぱいになります。

 

さて、こちらは和菓子「蒼き海」、日本画「潮」。

空羽さんは、「水の深みを出すために、何度も試作を繰り返しました。」とお話ししてくれました。

 

縁側のつくばいの淵に展示された和菓子「水 跳ねる」、見上げると日本画「水上青々翠」が緑に映えていました。

つくばいの水音や爽やかな風も、作品とコラボレーションしているようでした。

 

さて、二人展『うつろい』 の作家をご紹介します。

左が和菓子職人の空羽さん、右が日本画家の天内純子さんです。

 

創作和菓子 空羽さんは、創作和菓子・鎌倉手毬 御園井裕子氏に師事。
独立後、『空羽~kuu~』として活動を開始されました。
2019年に北鎌倉 宝庵アトリエ工房を構え、宝庵たからの庭での茶会、各種イベント、ワークショップ等に和菓子を提供されています。
店舗は持たず、販売会やイベント出店を行っているので、詳細は空羽kuu | インスタグラムをご覧ください。

 

日本画家 天内純子さんは、多摩美術大学を卒業後、水をテーマに日本画を描き、内閣府所管のマスターアートセラピストでもあります。
また、ご自身の体験をもとに、ひとりでも多くの人に、描くこと、創り出すことの楽しさや素晴らしさを伝える場として、はなうたアートを主宰。
毎月1回、たからの庭で日本画体験ワークショップを開催されています。

昨年開催された日本画展のレポートは、こちらの記事をご覧ください。
【鎌倉 イベントレポ】みずとともに 天内純子日本画展 - めぐりうつろい様々な表情を見せる水 鎌倉小町の裏道アート空間Galleryジアースは此処

 

宝庵のお庭には、一畳台目(いちじょうだいめ)と言われる茶室があり、そちらにも展示がされていました。

吉野窓と言われる大きな丸窓が特徴の、夢窓庵です。

築84年の茶室に展示されていた三点の作品、そして、持ち帰った和菓子のご紹介は、後編をご覧ください。

【鎌倉 イベントレポ】〈後編〉創作和菓子 空羽kuu×日本画 天内純子 二人展『うつろい』 - 北鎌倉 浄智寺谷戸の新緑をくぐって、茶室 宝庵で味わう和の世界

イベント紹介

【創作和菓子 空羽kuu×日本画 天内純子二人展『うつろい』北鎌倉 宝庵】
■住所:〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内1415
■日程:2023年5月2日(火) 〜4日(木祝)
■時間:10:00〜16:00
■場所:北鎌倉 宝庵

アクセス

JR 北鎌倉駅から 徒歩10分

関連リンク

うつろい和菓子×日本画 二人展『うつろい | たからの庭

空羽kuu | フェイスブック
空羽kuu | インスタグラム
空羽kuu | 北鎌倉宝庵 webページ
空羽kuu | ストアサイト

日本画家 天内純子 | フェイスブック
日本画家 天内純子 | インスタグラム
日本画家 天内純子 | ホームページ 

宝庵 | ホームページ

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