湘南エリアってどこからどこまで?大規模アンケートで判明!それぞれの湘南エリア
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湘南エリアってどこからどこまで?大規模アンケートで判明!それぞれの湘南エリア

2022/08/05

サザンオールスターズの聖地であり、サーフィンやシーカヤックなどのマリンスポーツのメッカ、恋人たちの人気デートスポット、ファミリーのお出かけスポットなど、多種多様な顔を持つ関東一の人気エリア”湘南”。近年では神奈川県の一部エリアの呼称としてではなく、様々な場面で”湘南”と名のつく企業や団体、商品が存在しています。

”湘南”が一般社会へ浸透する一方で、一部の神奈川県民の間では「どこからどこまでが湘南エリアか?」という終わりなき論争が起きています。「我こそは”湘南”」と名乗りを上げる地域や、しれっと湘南エリア感を出す地域、我が市だけが”湘南”と主張する湘南原理主義者など、湘南在住者の数だけ湘南エリアの定義が存在する群雄割拠の湘南エリア戦国時代に突入中です。

そんな状況を鎮めるために、湘南人では関東在住の5,000人を対象に湘南エリアの定義に関するアンケート調査を実施しました。本記事ではその結果や湘南の歴史、様々な湘南エリアの定義などを紹介していきます。

 

目次

5,000人に聞いた湘南エリアアンケート

湘南人では人々の意識の中での湘南エリアを調査するために、関東在住の5,000人を対象に『あなたにとっての湘南エリアはどこからどこまで?』という意識調査を実施しました。

【アンケート概要】
調査対象:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県在住の18歳以上の男女
回答数:5,000件
サンプリング方法:代表サンプル
調査期間:2021年11月3日〜2021年11月5日
調査手法:インターネット調査

選択肢

まず湘南人では湘南エリアに関する様々な定義や、地元住民の方々への聞き取り調査から5パターンの湘南エリアを作成しました。下記がその区分けになります。

【あなたの湘南エリアのイメージに一番近い画像を選択してください】

①茅ヶ崎市

②茅ヶ崎市、藤沢市

③茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町

④大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町

⑤湯河原町、真鶴町、小田原市、二宮町、大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町、横須賀市、三浦市

①は「湘南エリアは茅ヶ崎のみしか認めない」という方へ向けた選択肢。②は王道・本命の選択肢。③は鎌倉方面へ裾野を広げた選択肢。④は ⑤は相模湾を取り囲む西から東の端までの市区町村を含んだ選択肢となっています。

結果

上記の5つの選択肢の中から回答者にとって最も湘南エリアのイメージに近い物を5,000人に選んでもらった結果、『④大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町』と回答した人が最も多く25.69%でした。

あなたの湘南エリアのイメージはどこからどこまでですか?

1位:④大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町
2位:②茅ヶ崎市、藤沢市
3位:③茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町
4位:①茅ヶ崎市
5位:⑤湯河原町、真鶴町、小田原市、二宮町、大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町、横須賀市、三浦市

2位は僅差で『②茅ヶ崎市、藤沢市』の25.16%、3位も僅差で『③茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町』の24.46%だったのに対し、4位の①12.56%と5位の⑤12.13%は上位3つにダブルスコアの大差を付けられる形となりました。

続いて各都道府県ごとのデータを見ていきます。

北関東(茨城県・栃木県・群馬県)の方が思っている湘南エリアのイメージ

1位:②茅ヶ崎市、藤沢市
2位:④大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町
3位:③茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町
4位:⑤湯河原町、真鶴町、小田原市、二宮町、大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町、横須賀市、三浦市
5位:①茅ヶ崎市

北関東3県の総合の結果を見ると、全体の結果と異なり『②茅ヶ崎市、藤沢市』が28.19%で1位となっています。湘南エリアから距離が遠ざかるとやはり「茅ヶ崎、藤沢」という全国的に知名度の高いエリアを湘南エリアと認知している人が多いようです。また鎌倉市については湘南同様に知名度があるため、”鎌倉は鎌倉”というイメージを持っている人が多いのではないかと考えられます。

さらに年代別を見ると、18歳から64歳までの各年代では②が1位となっている一方で、65歳以上は④が1位となっており、北関東エリアでは世代によって湘南エリアの認識にギャップが存在していることが分かりました。

南関東(埼玉県・千葉県・東京都)の方が思っている湘南エリアのイメージ

1位:③茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町
2位:②茅ヶ崎市、藤沢市
3位:④大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町
4位:①茅ヶ崎市
5位:⑤湯河原町、真鶴町、小田原市、二宮町、大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町、横須賀市、三浦市

神奈川県を除く南関東エリアの結果では、「③茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町」が26.27%最も多く、北関東で最多の「②茅ヶ崎市、藤沢市」が3位という結果になり、北関東に比べ湘南エリアが身近な南関東では茅ヶ崎市・藤沢市以外の市町村の知名度も高く、『茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町』はマストで大磯町・平塚市が湘南エリアに含まれるかどうかで票が分かれたようです。

神奈川県の方が思っている湘南エリアのイメージ

1位:④大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町
2位:②茅ヶ崎市、藤沢市
3位:③茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町
4位:⑤湯河原町、真鶴町、小田原市、二宮町、大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町、横須賀市、三浦市
5位:①茅ヶ崎市

湘南エリアを抱える神奈川県では、『④大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町』と回答した人が最も多く30.83%となり、他の地域と異なる結果になりました。

大磯から葉山町までという相模湾に面する比較的に幅広いエリアを湘南エリアと捉えている人が多く、次いで「②茅ヶ崎市、藤沢市」がランクインしました。多くの神奈川県民は「湘南エリアはどこからどこまでか?」という議論の当事者であるため、特に選択肢に登場する市区町村に在住している人、例えば茅ヶ崎市民は①に、大磯町民・平塚市民は④に投票するなど、自らが在住している市区町村に投票しているようです。

また神奈川県では、『湘南エリアは茅ヶ崎市・藤沢市のみ派』と『鎌倉市・逗子市・葉山町も湘南エリア派』に意見が大きく割れていることがアンケート結果から分かりました。

都道府県別の湘南エリアの意識調査の次に、年代別の結果を見ていきます。

 

年代別アンケート結果

18歳から34歳の方が思っている湘南エリアのイメージ

1位:②茅ヶ崎市、藤沢市
2位:③茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町
3位:④大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町
4位:⑤湯河原町、真鶴町、小田原市、二宮町、大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町、横須賀市、三浦市
5位:①茅ヶ崎市

35歳以上の方が思っている湘南エリアのイメージ

1位:④大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町
2位:③茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町
3位:②茅ヶ崎市、藤沢市
4位:①茅ヶ崎市
5位:⑤湯河原町、真鶴町、小田原市、二宮町、大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町、横須賀市、三浦市

18歳から34歳までの若い世代と35歳以上のアンケート結果を比較すると、若い世代では「②茅ヶ崎市、藤沢市」を湘南エリアと答えた割合が最も多いのに対し、35歳以上では「④大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町」が最も多く、逆に若い世代で最も多かった②は3位でした。

35歳以上の傾向としては、1位、2位ともに「鎌倉市・逗子市・葉山町」が選択肢に入っており、「大磯町・平塚市」を含むかどうかで票が割れていました。

5,000人へのアンケート調査で分かったことは、住んでいるエリアや年代によって湘南エリアの定義が全く異なっており、さらにそれらのセグメントによって「鎌倉市、逗子市、葉山町を湘南とするかどうか」や「大磯町と平塚市を湘南とするかどうか」など論争の生まれているポイントも異なっていることが分かりました。

 

湘南の歴史

湘南人が実施した湘南エリアに関する大規模アンケートの結果では『大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町が湘南エリア』と回答した人が最も多く、人々の感覚の中での湘南エリアをクリアにできました。続いては”湘南”という言葉の由来や発祥など、湘南の歴史を見ていきます。

由来

湘南について研究していた平塚の郷土史家・高瀬慎吾は著書の「湘南の文学巡り」の中で、中国の湖南省にある湘江という川の南側に位置する景勝地が”湘南”の由来と論じられています。

『湘南・潭北は、湘水に沿った都邑(都市)、湘潭のあたりにちなむ勝境の雅語』

出典:「湘南の文学巡り」高瀬慎吾 1968

鎌倉から室町時代にかけて禅宗の聖地である中国の湖南省から多くの禅僧が湘南エリアを訪れる中で、”湘南”という言葉が日本に持ち込まれたと考えられます。

発祥

江戸時代になると、中国の湖南省にルーツを持つ小田原の商人・崇雪が「心なき身にもあはれは知られけり鴫立沢の秋の夕暮」という西行法師の歌にちなんで大磯鴫立庵に「看盡湘南清絶地」と刻んだ石碑を建立しました。

「看盡湘南清絶地」とは“清らかですがすがしく、このうえもない所、湘南とは何と素晴らしい所”という意味であり、中国湖南省の景勝地・湘南の風景が当時の大磯に似ており”湘南”と石碑に刻んだとされています。

出典:大磯町鴫立庵

近代の湘南の歴史

明治時代になると相模川の西側で湘南馬車鉄道株式会社など”湘南”を冠した企業や団体が誕生しました。明治時代の初期は相模川の西側を湘南、相模川の東側を湘東と呼んでいました。

そして1889年4月1日の町村制施行に伴い神奈川県津久井郡湘南村が誕生しました。(1955年に川尻村と三沢村の一部との合併により城山町が誕生し湘南村は消滅。城山町も2007年に相模原市へ編入された。湘南村は現在の相模原市緑区の一部である。)

湘南村は現在我々が”湘南”と聞いて想像する海側のエリアではなく、相模川の上流に位置していました。

湘南村の誕生から11年後の1900年に、明治・大正期のベストセラー作家である徳冨蘆花が随筆小品集『自然と人生』を執筆しました。その中の「湘南雑筆」において逗子の大自然や逗子から見える相模湾の美しさを湘南の絶景と紹介し、私たちが現在抱いている湘南のイメージと湘南という呼称が全国的な知名度を獲得。

戦後もサザンオールスターズの登場や湘南を題材にしたドラマや映画、漫画などの登場により湘南のブランドイメージは確固たるものになりました。

出典:秦野市 軽便鉄道歴史の旅

様々な湘南エリア

大規模アンケートと湘南の歴史について調査してきた我々は次に、「”湘南”と名の付く組織や団体が湘南エリアをどのように定義しているのか?」という疑問を調査しました。

①Google

我々の生活に欠かせない世界的企業Google。そんな彼らは湘南エリアをどう定義しているのか?Googleにとっての湘南エリアを知るために、地理空間情報を表示するアプリケーションソフト『Google Earth』で「湘南」と検索してみました。

 


宇宙の片隅から地球をクローズアップしていき日本列島を捉え、相模湾上空で画面は止まりました。
さすがは世界のGoogle。湘南エリア論争の生まれているエリア全てをカバーしています。

赤いピンが刺されている箇所をクローズアップしていくと、平塚市の鈴川の土手に突き刺さる。
座標で言うと『35°22'16"N139°18'15"E』。ストリートビューを覗くと、そこに映し出された湘南は我々の知っているオーシャンビューではなく田畑でした。

 

②国語辞典

国語辞典において”湘南”はどのように定義づけられているのか?広辞苑と大辞林、大辞泉という3大国語辞典でそれぞれ”湘南”と検索してみました。

1.広辞苑

(相模国南部の「相南」を1に因んで書く)相模湾沿岸地帯の称。葉山・逗子・鎌倉・茅ヶ崎・大磯などを含む。夏季は海水浴場多く、冬季は比較的温暖で京浜の避寒地。住宅地化がすすむ。

2.大辞林

神奈川県相模(サガミ)湾沿岸一帯の地域の称。鎌倉・逗子・葉山・大磯などを含む。温暖な気候と長い海岸線に恵まれ,京浜地区の住宅地・行楽地。

3.大辞泉

《相模(さがみ)国南部の意の「相南」を、中国の「湘南」にちなんで書き換えたもの》神奈川県南部の相模湾沿岸一帯の地。葉山・逗子(ずし)・鎌倉・茅ヶ崎・大磯・平塚などがある。温暖な気候と風景に恵まれた観光保養地・住宅地。「―の海岸」

3つの辞書で共通して取り上げられたのは葉山・逗子・鎌倉・大磯の4エリアであり、茅ヶ崎は2辞書に登場したものの本命の藤沢の記載は一つもありませんでした。

出典:広辞苑、大辞林、大辞泉

 

③湘南ベルマーレ

『湘南』の冠を有し、日本最高峰のフットボールリーグJ1で日々しのぎを削る湘南ベルマーレ。Jリーグではクラブの本拠地を『ホームタウン』と呼び、ホームタウンを定めるルールになっています。

湘南ベルマーレで定められているホームタウンは以下の9市11町。

厚木市、伊勢原市、小田原市、鎌倉市、茅ヶ崎市、秦野市、平塚市、藤沢市、南足柄市、大井町、大磯町、開成町、寒川町、中井町、二宮町、箱根町、松田町、真鶴町、山北町、湯河原町

湘南ベルマーレは、一般的に考えられている湘南エリアに比べかなり広いエリアをホームタウンとして定義づけています。
これは2017年にもともとのホームタウンである厚木市、伊勢原市、小田原市、茅ヶ崎市、秦野市、平塚市、藤沢市、大磯町、寒川町、二宮町の7市3町に加え、鎌倉市、南足柄市、大井町、開成町、中井町、箱根町、松田町、真鶴町、山北町、湯河原町の2市8町を新たにホームタウンとして追加したためです。

 

出典:湘南ベルマーレ ベルマーレ概要

 

④湘南市構想

湘南市構想とは2002年に湘南市研究会が立ち上げたもので、平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町、大磯町、二宮町の6市町が合併し湘南市を設立し政令指定都市への移行を目指すという構想でした。合併が実現していれば横浜市、川崎市に次ぐ神奈川県第3位の人口を有する都市になる予定でしたが、2003年に行われた第10回湘南市研究会において、3市3町の首長の合意により湘南市研究会を解散することが決まり幻の市となりました。

出典:藤沢市 湘南市研究会

 

⑤湘南ナンバー

神奈川県には『横浜ナンバー』と『川崎ナンバー』、『相模ナンバー』そして『湘南ナンバー』の4ナンバーが存在しています。地元住民待望の『湘南ナンバー』は相模ナンバーのエリアを2つに区切る形で1994年10月31日に誕生しました。

湘南ナンバーのエリアはこれまで見てきた湘南エリアの定義の中で最も広大なものになっておりその対象地域は下記です。

【湘南ナンバーエリア】

平塚市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、秦野市、伊勢原市、南足柄市、寒川町、大磯町、二宮町、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町

山梨県に隣接している山北町も湘南ナンバーに含まれており、かなり広範囲が湘南ナンバーに含まれる一方で、一般的に湘南エリアとして考えられている鎌倉市や逗子市、葉山町は横浜ナンバーとなっています。

出典:国土交通省関東運輸局神奈川運輸支局

 

⑥行政による区分

神奈川県の出先機関である湘南地域県政総合センターの管轄エリアは、平塚市・藤沢市・茅ヶ崎市・秦野市・伊勢原市・寒川町・大磯町・二宮町となっています。また、神奈川県が運営する『観光情報ひろば湘南』や『観光かながわNOW』といったサイトでも湘南エリアを「平塚市・藤沢市・茅ヶ崎市・秦野市・伊勢原市・寒川町・大磯町・二宮町」と定義しています。

出典:湘南地域県政総合センター観光情報ひろば湘南観光かながわNOW

 

⑦学校関係

次に”湘南”と名のつく学校について、『幼稚園・保育園』、『小学校』、『中学校』、『高等学校』、『大学』という順番で調べてみました。

幼稚園・保育園

『湘南幼児学園』や『湘南まるめろ幼稚園』など、”湘南”と名のついた幼稚園・保育園は主に茅ヶ崎市、藤沢市に多く存在しています。一方で、鎌倉市や逗子市といったエリアでは”鎌倉”や”逗子”といった自治体の名を冠した幼稚園・保育園が多く存在しています。

また神奈川県大和市に『つきみ野湘南保育園』が存在し、”湘南”の名を冠した最北端の幼稚園・保育園と当メディアでは認定します。

小学校

『湘南学園小学校』と『湘南白百合学園小学校』が藤沢市に存在しており、納得感のあるネーミングセンスと学校の所在地である一方で、王道のネーミングセンスである『湘南小学校』は相模原市に存在しています。

相模原市に湘南小学校。相模原市が湘南エリア論争に殴り込みをかけてきたように感じたが、これは現在の相模原市緑区の一部に1955年まで湘南村という市区町村が存在していた名残です。

中学校

茅ヶ崎市に『アレセイア湘南中学校』が、藤沢市に『湘南学園中学校』と『湘南白百合学園中学校』が存在しています。一方で『湘南中学校』と王道の名を有する中学校は存在しません。

高等学校

茅ヶ崎市の『アレセイア湘南高等学校』、藤沢市の『湘南学園高等学校』と『湘南白百合学園高等学校』など常連組に加えて、藤沢市の『湘南工科大学附属高等学校』や『湘南一ツ星高等学院』など”湘南”の名を有する高校が多数存在しています。

また、1921年(大正10年)に創設された100年の歴史を持ち、県内屈指の進学校である『湘南高等学校』は藤沢市に存在しています。

大学

”湘南”の名を有する大学は、藤沢市にある『湘南工科大学』と横浜市にある『湘南医療大学』、鎌倉市にある『湘南鎌倉医療大学』の3校が国内に存在しています。

学校関係における”湘南”の使われ方を分析してみると、”湘南”と名のついた学校は比較的に藤沢市と茅ヶ崎市に多く存在していることが分かりました。そのため、学校関係者や地元住民の中に”湘南”=茅ヶ崎市・藤沢市という考え方が存在しているのかもしれません。

 

⑧公共交通機関

”湘南”と名のつく鉄道路線やバス会社はいくつか存在しており、代表的な物を紹介します。

湘南新宿ライン

湘南新宿ラインとは、湘南エリアから新宿を経由し北関東までを直通で運行する路線の愛称。JR東日本の路線図によると、上は群馬県の前橋駅と栃木県の宇都宮駅から枝分かれしてきた路線が大宮駅で繋がり新宿駅を経由し、大船駅で東海道本線方面と横須賀線方面へ再度分岐し、小田原駅と逗子駅を終着地としています。

湘南モノレール

1970年に部分開業し、翌年に全線開業した湘南モノレール江の島線は、鎌倉市の大船駅と藤沢市の湘南江の島駅を結んでいます。

富士急湘南バス

2002年に富士急行の子会社として営業開始した富士急湘南バスは”湘南”という名は付いているものの、運行エリアは小田原市や南足柄市、山北町といった県西エリアであり、茅ヶ崎市や藤沢市などでは運行を行っていません。

出典:JR東日本 路線図湘南モノレール株式会社富士急湘南バス株式会社

 

⑨湘南美容クリニック

耳に残る特徴的なCMにより、”湘南”の知名度向上に少なからず貢献しているであろう湘南美容クリニック。2000年に藤沢市で湘南美容クリニック藤沢院が開院してから20年あまりで日本・海外で110院が展開されています。

海外にはベトナムのホーチミンにあるベトナム院と。アメリカのカリフォルニア州にあるアーバイン院が存在しています。湘南美容クリニック藤沢院から湘南美容クリニックアーバイン院はおよそ9,000kmも離れており、湘南エリアから最も離れた”湘南”を冠した存在と言えます。

出典:湘南美容クリニック クリニック案内一覧

様々な角度から湘南エリアの定義について調査してきました。その結果として、茅ヶ崎市・藤沢市は基本的に湘南エリアの定義に入っており、そこに鎌倉市・逗子市・葉山町の東側のエリアと大磯町・二宮町・小田原市の西側エリアを加えるかどうかという部分で意見の相違がおきていました。

 

 

実は公式見解が出ている?

「湘南エリアはどこからどこまでを指すのか?」という問題を、湘南の歴史や様々な団体での湘南エリアの定義付け、5,000人へのアンケートを行い、多角的な視点から湘南エリアについて湘南人では調査してきました。

そんな中で我々は驚くべき見解を見つけました。それが『かながわシープロジェクト Feel SHONAN』です。

『かながわシープロジェクト Feel SHONAN』は、マリンスポーツを柱に、「Feel SHONAN」をキャッチフレーズとして、神奈川の海の魅力を発信し、国内外から多くの観光客を神奈川の海に呼び込むために神奈川県によって立ち上げられたプロジェクトです。

このプロジェクトの『Feel SHONANって何?』というページに、

”「湘南」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?

サーフィン?ヨット?海水浴?いったい「湘南」ってどこ?

神奈川県・相模湾沿岸の13市町を【SHONAN】と呼んでいます。”

と記載されており、相模湾沿岸の13市町を【SHONAN】と呼ぶと定義付けされていました。

神奈川県が運営するサイトでこのように定義付けされており、湘南エリア論争に終止符が打たれると思われましたが、【湘南】ではなく【SHONAN】と呼び名が英語に変わっている点に疑問を感じました。

なぜなら2014年に『かながわシープロジェクト Feel SHONAN』が出したメッセージの中では、「湯河原から三浦までの相模湾沿岸を”湘南”と呼びます!」と漢字での【湘南】呼びであったからです。

現在の『かながわシープロジェクト Feel SHONAN』のサイトでは【湘南】が【SHONAN】に変わっており、さらに藤沢市、茅ヶ崎市、平塚市、大磯町、二宮町を『湘南地域』と紹介しており、「【湘南】=【SHONAN】?」や「【湘南】≠『湘南地域』?」という疑問が生じます。

このように『かながわシープロジェクト Feel SHONAN』のサイト内でも湘南エリアのニュアンスや取り扱いが変わっっており、2014年に県からの公式見解が出たことで一度は終結しかけた湘南エリア論争が再び盛り上がりを見せています。

湘南人では幅広い"湘南"の定義をもとに、湘南エリアに在住する皆様にとってタメになる情報を今後も随時配信していきます。みなさんで湘南の行く末を一緒に見守っていきましょう。

 

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