【逗子 学びスポットレポ】逗子 マンホールの蓋 - 逗子ゆかりの人物や横須賀の歴史にも触れる
マンホールは路上のアート!
手軽で誰もが見ることのできる路上アートとして近年じわじわと人気を集めている「マンホールの蓋」。
マンホール愛好家を「マンホーラー」や「蓋女」と呼び、マンホールを探す活動を「蓋活」なんて言ったりするそうです。
旅行先での「蓋活」が趣味でしたが、最近は湘南エリアの「蓋活」を楽しんでいる筆者。
今回は、湘南の路上アート・逗子編をご紹介します。
広域で見られるマンホールの蓋①
逗子市ならではのモチーフが描かれたデザインマンホール。
逗子市のマンホールは、市の都市宣言「青い海とみどり豊かな平和都市」から、 青い海とみどりをテーマにデザインされました。
海を表す波模様と市の木(つばき)、それに都市(街区)をイメージするひし形を 加えてデザインし、中央に市章を配置しています。
繊細な波やつばきが描かれたシックなデザインですね。
こちらは市内の至る場所で見ることができます。
同じデザインでも、造られた年代や素材・加工が異なるのか、色の濃さが異なるものもありました。
広域で見られるマンホールの蓋②
デザインマンホールの対極にあると言っても過言ではないのが、JIS規格(日本産業規格)模様のマンホールなのではないでしょうか。
造られた年代や業者によって模様が少しずつ異なるようですが、統一規格なので「THE マンホールの蓋」といった見た目をしています。
模様は様々な都市と同じだとしても、中央部分にそれぞれの市町村のマークが入っていることで、どこの地域のマンホールの蓋なのか、分かるようになっています。
逗子市は、逗子の「逗」がロゴ化されたマンホールの蓋が多種ありました。
似ているようでちょっとずつ違う・・・まるで、間違い探しのようです。
そんな微妙な違いも楽しみながらマンホールの蓋を探してみてはいかがでしょうか。
「太陽の季節」記念碑が描かれたマンホールの蓋
逗子駅の三井住友銀行前には、下水道事業のPRの一環として2020年に製作・設置されたマンホールの蓋があります。
ウィンドサーフィンを楽しむ様子が描かれた海を背景に、石原慎太郎氏の芥川賞受賞作品「太陽の季節」の記念碑が描かれています。そして、左奥には富士山。逗子市の魅力をギュッと詰め込んだカラーマンホールの蓋はここでしか見るとこができません。
そして、せっかくならばと「太陽の季節」記念碑も見に行って来ました。
記念碑を見に行く道中に、前半に紹介したマンホールが見られます!
石原慎太郎さんの小説「太陽の季節」芥川賞受賞50周年を記念して建てられました。岡本太郎さん制作の「若い太陽」のオブジェが用いられています。除幕式には石原軍団も参加しました。
カラーマンホールの蓋に描かれた記念碑とウインドサーフィンを楽しんでいる風景が広がります。
生憎の曇り空で富士山は見えませんでしたが、江ノ島はハッキリと見えました。
天気の良い澄んだ日には、富士山もしっかり見えるそうですよ。
太陽のオブジェは「芸術は爆発だ!」の名言で有名な岡本太郎さんの作品で、ファンの間ではパブリックアート巡りの場所としても有名です。
私が逗子を散策していたこの日は、雨混じりのスッキリしない天気だったのですが、「太陽の季節記念碑」だけは晴れ間が広がっていました。
名前の通り「太陽」が輝くこの場所は、不思議な魅力を放っていて、また天気の良い日に訪れたいなと思う場所でした。
逗子銀座商店街
逗子駅から歩いてすぐの逗子銀座商店街には、イラストがプリントされたマンホールの蓋3種類を見ることができます。
商店街の名前「GINZA」を描いたものや、逗子市のシルエットやヨットを描いたデザインがあります。
逗子市に横須賀市のマンホールの蓋!?
逗子駅ロータリーの車道に、「横須賀市」と書かれた空気弁のマンホールの蓋があります。
逗子市なのにどうして?と、疑問に思い調べてみると、深い歴史が関係していることが分かりました。
日露戦争(1904〜1905年)後、軍備拡張に伴って走水系統だけでは、水量が足りなくなりました。 海軍は、相模川の支流中津川に新しい水源を求め、明治45年(1912年)に工事に着手し、大正10年(1921年)に半原系統を完成させました。
参照元:半原系統 - 横須賀市上下水道局
現在の神奈川県愛川郡愛川町から横須賀市逸見の浄水場のまでの53kmを結び、水道路を使って送水していたと言われています。
その途中の調整として、空気弁が設置されたため、逗子市なのに「横須賀市」と書かれたマンホールの蓋が設置されているそうです。
このマンホールの蓋は、逗子市以外の湘南エリアだと、鎌倉市にもあるそうです。
半原水源系統(旧軍港水道施設)は、大正10年に完成し、これまで長い間、横須賀市民の生活を支える貴重な水源として活躍してきました。
しかし、水需要の減少、水源水質の悪化、施設の老朽化により平成19年度からは取水を休止していましたが、 平成27年2月28日をもって廃止しました。
現在は半原系統も廃止されているため、空気弁の蓋も今後無くなる可能性もあるのでは・・・?と思うと、とても貴重なマンホールの蓋なのかも知れません。
蓋活から湧き出た疑問を深掘りしてみたところ、横須賀の意外な歴史に触れることになりました。市を超えて繋がっていて奥が深いですね!
横須賀のマンホールの蓋については、また改めてご紹介したいと思います。
尚、逗子駅ロータリーのマンホールの蓋は、車道上にあるので見学の際はくれぐれもご注意ください。
最後に
逗子の魅力を詰め込んだマンホールの蓋も、とても見応えがありました。そしてマンホールに描かれた実在の場所は、太陽のエネルギーを感じる不思議な魅力がある場所です。
逗子市を訪れた際には、マンホールの蓋にも注目して歩いてみてはいかがでしょうか。
地図
【太陽の季節記念碑のマンホールの蓋】
■住所:〒249-0006 神奈川県逗子市逗子1-4-4付近
【太陽の季節記念碑】
■住所:〒249-0007 神奈川県逗子市新宿1-6
【逗子銀座商店街】
■住所:〒249-0006 神奈川県逗子市逗子5-3-40付近
関連リンク
逗子市・デザインマンホール - 逗子市ホームページ
太陽の季節記念碑除幕式 - 逗子フォト - 逗子市ホームページ
半原系統 - 横須賀市上下水道局
半原水源系統の廃止について - 横須賀市上下水道局